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2008/04/18

<総合>李明博大統領・実利外交がスタート

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    特別機のタラップで米国・日本訪問の出国あいさつをする李明博大統領と金潤玉夫人

 李明博大統領は15日、就任後初の外遊となる米国・日本訪問に出発した。李大統領は出国メッセージで、「実用主義外交の新地平を開き、所期の成果を収めて帰国する」と述べ、「米国とは伝統的な友邦関係をさらに固め、日本とは名実ともに未来志向的善隣関係を構築する」と強調した。5泊6日の実利外交がスタートを切ったが、果たしてどんな成果をあげるのか手腕が試される。

 米国での滞在日程は4泊5日。チェイニー副大統領主催の昼食会、米国務長官らとの会見、上下院指導者との懇談、潘基文国連総長との会談のほか、同行する韓国財界人とともにセールス外交にも力を入れる。

 李大統領は15日午後(韓国時間16日未明)、米最初の訪問地ニューヨークに到着後、宿舎のホテルで次世代在米同胞との懇親会を皮切りに訪米日程をスタートさせた。この席にはニュージャージー州エディソン市長のジュン・チェ氏、ワシントンDC教育官のミシェル・リー氏、ニューヨーク州ブルックリン刑事法院判事のデニー・チョン氏、NASA(米航空宇宙局)航空研究部門責任者のシン・ジェウォン氏ら11人が参席。李大統領は、「米社会で競争をして地歩を固めることが重要だ」として、「教育、金融、科学技術など各分野で若い在米2世をスカウトしようと思う」と述べ注目を引いた。

 また、ニューヨーク在住の同胞と懇談会では、「韓米FTA(自由貿易協定)について、「両国関係を単純な経済関係から包括的なものへ格上げするものだ」として、早期批准が必要性を強調した。

 この後、米国内の韓国通が集まるコリアンソサエティー主催の夕食会で演説、「今後傷ついた韓米関係を急いで修復し、軍事、政治、外交、経済など幅広い分野で利益を共有できる「韓米戦略同盟」に発展させたい」と強調した。

 訪米翌日に開いた韓国投資説明会で李大統領は新政権の規制改革やビジネスフレンドリー(企業に配慮した環境作り)政策などを説明、韓国への投資を呼びかけた。また、ニューヨーク証券取引所を視察した。現在ニューヨーク市場にはポスコ、KT、韓国電力、国民銀行など韓国企業8社が上場している。

 この他に、米財界首脳を招いての夕食会、米商工会議所主催のCEO(最高経営責任者)ラウンドテーブルなど慌しい日程をこなす。ワシントン移動後、19日から米大統領の山荘、キャンプデービッドでブッシュ大統領との韓米首脳会談に臨む。韓国大統領としては初めてとなるキャンプデービッドでの首脳夫妻同士の会談だ。

 公式会談とは異なり、私的に互いをアピールして距離感を縮める狙いがある。寝食を共にすることでどんな効果が生まれるのか、今回の首脳会談の大きな注目点の一つだ。ブッシュ大統領はCEO出身の李大統領の卓見を聞きたいと側近に漏らしたという。

 今回の訪米で李大統領は、前政権下でぎくしゃくした韓米関係の修復を最優先にし、信頼関係構築に全力を入れる考えだ。その際、実利外交の基本である「国益の拡大」とどう調整を進めるかだ。米側は同盟強化のため、アフガニスタンへの再派兵、防衛費分担金増額、大量破壊兵器の拡散防止構想への参加、牛肉輸入の全面開放など数々の要求リストを用意している。