李明博政権の国政推進力を占う第18代総選挙の投開票が9日行われ、与党・ハンナラ党が過半数を制した。最大野党・統合民主党は目標とする改憲阻止線100議席を大きく下回り、大統領選挙に続く惨敗となった。ハンナラ党は定数299議席のうち153議席を確保、保守系の自由先進党18議席、親朴連帯14議席、保守系無所属を含めると保守系が3分の2を占める200議席を超えた。一方のリベラル系は統合民主党が81議席に急減、民主労働党5議席、創造韓国党3議席にとどまった。無所属は25議席を確保した。投票率は地方選挙を含めた歴代選挙史上最低の46・0%にとどまった。
今回の総選挙は見るべき争点がなく、結局与党の掲げる「国政の安定」を重視するのか、野党が訴える「政権独走の牽制」が大事かで争われ、国民は「安定」を選択した。
ハンナラ党は06年5月の統一地方選挙、昨年12月の大統領選に続き、今回の総選挙でも勝利を収め、李明博政権の国政運営にも弾みがつくことになった。ただ、国会の全常任委員会を支配できる議席獲得には失敗し、また反目する朴槿惠元代表派の議員も50議席を超えたことから、李大統領が公約としている大運河特別法などの政策推進には影響が出そうだ。
一方、統合民主党は惨敗の責任論が出るなど、選挙による後遺症が続きそうだ。また自由先進党は地盤の忠清道地域で善戦したものの、院内交渉団体の構成要件となる20議席は確保できず、民主労働党は議席を半分に減らし後退した。親朴連帯は当初目標を超過達成した。
選挙結果を受け、ハンナラ党の姜在渉代表は、「経済再生と国民統合を願う偉大な国民の勝利だ」と強調。一方の統合民主党は、「統合民主党がもっと変わらねばならないという国民の注文と受けとめる」と意気消沈。李明博大統領にとっては最側近の李在五氏や李方鎬氏が相次ぎ落選し打撃となった。
今回の総選挙では、与野党のベテラン議員の明暗が分かれた。
地盤の蔚山を離れソウル・銅雀乙に選挙区を変え勝負に出たハンナラ党の鄭夢準議員は、統合民主党の鄭東泳・元統一部長官との一騎打ちで勝利を収め、党代表への挑戦も射程圏内に入った。一方の鄭・元長官は、政治生命の危機となる恐れも出てきた。
創造韓国党の文国現代表は、ソウル・恩平乙選挙区からの出馬を表明した当時、与党の実力者である李在五議員の牙城を切り崩せるのかと懐疑的な見方が多かった。しかし今回の総選挙で一躍主人公に躍り出た格好だ。
注目の政治一番地であるソウル・鍾路選挙区では、ハンナラ党の朴振議員に挑戦状をたたきつけた統合民主党の孫鶴圭代表が敗北。党内での指導力が急低下するのは必至だ。このほかに、金大中元大統領の側近で木浦から出馬した朴智元・元文化観光部長官も無所属ながら当選に成功したが、次男の金弘業議員は落選した。
投票率は過去最低の46・0%。歴代総選挙で最低だった00年総選挙(57・2%)を下回り02年の統一選挙の48・9%をも下回る。