現代自動車のインド第2工場が南部の最大都市、タミル・ナドゥ州チェンナイで竣工、本格的な生産に入った。これで現代自は、近隣の第1工場と合わせて年産60万台の生産能力を持つインド第2位の自動車メーカーとなった。第2工場の生産車種は「i10」。現地に合った1100㏄の小型車で、インド内での販売以上に輸出に力を入れる。インド工場を生産拠点としたグローバル小型車の誕生となる。
現地で行われた竣工式には鄭夢九・現代・起亜自動車会長、カルナニディ州知事ら1200人が参席した。総額10億㌦を投入して建設された第2工場は、完成車工場とエンジン・変速機工場からなる。すでに98年から第1工場が稼働中であり、年産能力は合わせて60万台。これはインド政府が直接出資した現地1位の自動車メーカー、マルティ(63万台)に迫る水準だ。
第2工場で生産されるi10は、現地での販売だけでなく、欧州、中東、アフリカなど90余カ国に輸出される。インドを拠点としたグローバル小型車として期待されている。
鄭会長は、「第1工場完成から10年を経て、第2工場の完成でメジャーな自動車メーカーとして成長できる基盤ができた。インド最大の輸出メーカーとしてさらなる発展めざす」と語った。カルナニディ州知事は、「第2工場完成は、インドにとっても誇りだ。今後輸出が増え、生産規模が100万台以上になることを望む」と語った。
現代自は今年、インドで53万台(前年比62・2%増)を生産し、現地で27万3000台を販売、輸出に昨年の倍増となる25万7000台を振り向ける計画だ。インド市場での現代自動車の乗用車シェアは第2位で、インドの自動車輸出の65%を占めている。今年はさらに大幅な比率アップとなりそうだ。
人口11億人。近年、経済成長の著しいインド。世界各国の自動車メーカーによる市場争奪戦がすでに始まっている。
現在、インドの乗用車市場規模は117万台で、韓国の130万台よりも小さい。1300㏄以下の小型車の販売比率が77%を占める。だが、巨大な潜在市場であり、現代以外に、GM、フォード、トヨタ、ホンダなどが現地工場を建設、し烈な角逐販売戦を繰り広げている。
昨年のインドの自動車生産能力は162万台だが、2010年には386万台と一挙に2倍以上に拡大する見通しだ。急追するインドメーカーのタタをはじめ国内外入り乱れての工場増設が進められている。
現代自は、今度のi10で勝負を賭け、第1工場でのサントロ旋風の再現を描いている。10月にはi10よりワンクラス上のi20を投入する計画で、インド市場で「ヒュンダイ」のブランド確立をめざしている。