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2008/01/18

<総合>「充実した有能な政府」へ大胆改革

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    「変化は政府から始めるべき」と力説する李明博次期大統領

 李明博次期大統領は14日の新年会見の冒頭で、「充実した有能な政府をつくることが、李明博政府の最も重要な国政課題だ。変化は政府から始めなければならない。時代の流れに合わない政府組織の贅肉をそぎ落とす必要がある」と強調した。その2日後の16日、大統領職引き継ぎ委員会は、中央官庁を13部2処17庁に大幅縮小する政府組織改編案を発表した。史上最大規模の公務員7000人が削減される見通しだ。ここに「仕事中心の内閣」を掲げる李明博新政権の大胆改革がスタートを切った。

 李明博次期大統領は、ソウル鍾路区三清洞の大統領職引き継ぎ委員会で開かれた新年会見の15分前まで会見スピーチに直接手を入れていた。国民に伝えるメッセージの完成度を高め、強力な改革を実施するため各界の協力を求める必要があったためだ。

 会見は国政全般にわたり、まず政府組織改編案と関連、「放漫な組織のねじを締めなければならない。重複した機能を統合し、分散した機能を融合する」と強調した。この考えは、2日後の改編案に反映された。

 李次期大統領は政府のあり方について、「社会が変化すれば、政府の役割も変化しなければならない。政府が民間の速度に追いつけず、事あるごとに足を引っ張る国には発展はあり得ない。『政府万能主義が万病の根源だ』。政府は必ず必要なことだけをし、他は果敢に民間に任せるのが正しい。先進国が『小さな政府、大きな市場』を追求するのも、長年の経験によるものだ」と述べ、小さいが効率的で強力な政府をめざす考えを鮮明にした。

 そして、「政府が肥大化すれば規制が増えざるを得ない」という判断のもと、政府組織の贅肉そぎ落としに着手した。これを政府の規制手段削減→規制緩和を通じた企業投資活性化→雇用創出につなげようという考えだ。

 また、国務総理の人選について、「政治的考慮や総選挙を念頭において任命することはない」と述べ、「仕事中心」という原則を再確認し、「中国の温家宝首相が海外エネルギー確保のため昨年6月にエジプト、モンゴル、アンゴラを訪問するなど胡錦濤国家主席とのパートナーとして世界市場をにらんでいるのに深い印象を受けた」と語り、資源外交などでの役割を重視する考えを示した。

 国民の期待が最も大きい経済問題で李次期大統領は、「経済の活性化のために、何よりも重要なことは規制改革だ。投資を妨げる規制から整備しなければならない」と述べた。

 規制改革を優先課題と提示したのは、世界経済沈滞で輸出増加率が鈍化するのに加え、国内消費余力も制限されているため、企業の投資が景気刺激のための現実的な代案だと判断したためだ。これを裏書きするように、一定期間が経過すれば規制が自動廃止される「規制日没制」と、法に明示された禁止事項に違反しなければすべてを許容する「ネガティブシステム」の導入方針を明らかにした。経済界は、「投資心理の肯定的な影響を及ぼすだろう」と歓迎している。

 公約の7%成長については、「今年すぐに7%成長は難しいが、6%を達成できるのではないか」と述べ、無理な景気刺激策はとらない」と明らかにした。
 
 また、消費者物価上昇率は3・5%内で管理する方針だ。

 経済活性化にも結びつく重要公約の一つである「韓半島大運河事業」については、「国民的合意を経て民間資本主導で推進する」考えを示した。

 10年間続いた「太陽政策」の軌道修正がいわれている南北関係について李次期大統領は、条件付きながら北朝鮮と現政府が結んだ合意事項の履行を確認した。条件として、「合意事業の妥当性、財政的負担能力、国民的合意」の3つを挙げた。しかし、北朝鮮を刺激する「再検討」という表現は避けた。また、南北頂上会談については、「北朝鮮の核放棄や南北関係に役立つならば、いつでも会える。場所は韓国が良いのではないか」と述べた。