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2009/01/16

<総合>未来の韓国産業支える・新成長エンジン17課題選定

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 韓国の産業構造を作り変える野心的な試みが始まった。これまで韓国経済を支えてきた産業を土台に、より付加価値の高い高度な産業群を育成しようというものだ。青瓦台(大統領府)で13日開かれた李明博大統領主宰の国家科学技術委員会と未来企画委員会の合同会議で、未来の韓国経済をリードする新・再生エネルギー、放送通信融合、ロボットなど17の新成長エンジンが選定された。政府は、今後5年間に官民共同で100兆ウォン規模の財源をねん出、これら新産業に集中投資する計画だ。

 新成長エンジンは、①グリーン技術産業②先端融合産業③高付加価値産業の3分野に分けられる。昨年9月に民間主導で政府に提案された6分野22の成長エンジンを国務総理室、知識経済部、国土海洋部、環境部、保健福祉家族部、農林水産職員部などで再検討し、最終確定した。該当分野の技術水準と市場性、波及効果、グリーン成長連関性などを基準に次のように選定した。

 ①グリーン技術産業=再生可能エネルギー、炭素低減エネルギー、高度水処理、LED(発光ダイオード)応用、グリーン輸送システム、先端グリーン都市。

 ②先端融合産業=放送通信融合、IT融合システム、ロボット応用、新素材・ナノ融合、バイオ製薬・医療機器、高付加食品産業。

 ③高付加サービス産業=グローバルヘルスケア(国境を越えた医療)、グローバル教育サービス、グリーン金融、コンテンツ・ソフトウエア、MICE(企業会議、報奨旅行、国際会議、展示会連携産業)など観光産業。

 
 盧武鉉政権時代に選定された10大次世代成長エンジンが製造業とIT中心だったのに比べ、今回の新成長エンジンは、低炭素グリーン成長を裏付けるための新・再生エネルギー、炭素低減エネルギーなどグリーン技術産業とグローバルヘルスケアなど高付加価値サービス産業などに規模を拡大している。

 政府は、これら17の新成長エンジンを短期(5年以内)、中期(5~8年)、長期(10年内外)に分け応用技術開発及び制度改善、新規市場創出などを推進する計画だ。このため、民官共同で3兆ウォン規模のファンドも設ける。

 新成長エンジンの推進が成功すれば、かなりの波及効果が期待できる。昨年222兆ウォンだったこれら17の新成長エンジンの付加価値創出規模は2018年に694兆ウォンに拡大し、輸出も9200億㌦を担えると予想している。雇用創出は10年間で350万人が期待できる。

 会議では、新成長エンジンを支える21の基幹技術課題と27の研究開発課題を盛り込んだグリーン技術研究開発総合対策も確定された。

 政府は一方で、忠清道一帯に造成される国際科学ビジネスベルトに3000人の研究員を擁する基礎科学関連の研究所を設立し、世界トップレベルの性能を持つ重イオン加速機も建設する計画だ。この加速器は、ナノ(10億分の1)より微細なフェムト(1000兆分の1)水準の超ミクロの世界を実現するもので、新物質、環境、医療などの研究に用いられる。