政府は、現在の光LANより速度が10倍速い有・無線超広帯域融合網を2012年までに構築する計画だ。IP(インターネット・プロトコル)基盤上に超広帯域融合網を構築すれば、世界最高水準の双方向情報ハイウエーとなり、IT産業のインフラを強化する「IT大動脈」になる。この事業に政府と民間が5年間で34兆ウォンを投じる計画だ。
通信と放送を融合した超高速情報ハイウエーをめざす「放送通信ネットワーク高度化計画」は、放送通信委員会で立案した。IPテレビなど大容量・高品質の超広帯域融合サービスを円滑に提供するため、通信速度を飛躍的に高め、有線で最高1ギガビッド(Gbps)、無線で平均10メガビッド(Mbps)の速度をめざす。
この超広帯域融合網が構築されれば、生活環境が一変する。
例えば、ソウル~釜山の陸路移動時にも様々なことが可能になる。携帯電話でIPTVをいつでも見られるようになる。IPTVで映画を見ている途中に社内メールに接続し、受信した動画ファイルも開ける。そして業務状況を目で直接確認し、職員との簡単なテレビ会議もできる。無線データの伝送が高速化し、いつでもどこでも業務処理ができるようになるわけだ。
放送通信ネットワークの高度化による「生活革命」とともに、通信、放送、メディア産業のビッグバンを予告している。
このようなネットワーク構築に、2013年までの5年間で政府予算1兆3000億ウォンと、民間放送会社と通信事業者の資金32兆8000億ウォンが投入される予定だ。今年は計6兆6800億ウォンが計画されている。
経済効果は大きなものがある。5年間に17兆7000億ウォンの付加価値と48兆5000億ウォンの生産誘発効果に加え、12万人の新規雇用創出が期待できると試算されている。いわばIT版ニューディール政策である。
超広帯域ネットワークが備われば、さまざまな環境で有線、無線、電話、インターネット、放送が結合した多重融合サービスが可能になる。現在のHDTV(高画質テレビ)よりさらに4~16倍鮮明なUDTV(超高画質テレビ)を利用した双方向サービスを手軽に楽しめる。
野外では、移動型統合端末機を基盤に、時間にとらわれず今より10倍早い速度で、インターネットや電話、モバイルIPTVが結合した多重融合サービスを利用できる。
政府がこのような超高速情報ハイウエー建設に乗り出したのは、モバイルIPTV、移動型インターネット電話、実感型ウルトラ高画質テレビなど次世代の放送・通信融合サービスで他の国より一歩先んじるため。米国のオバマ政府は2012年までに米国内の全ての家庭に最小100Mbps級の超高速インターネット網を構築することにし、シンガポールでは2012年の1Gbps級インターネットサービスを準備中だ。
放送通信委関係者は、「新規サービスが活性化すれば、だれでも学習や電子商取引などの双方向サービスを利用し、日常生活の便宜と効率性を高める『生活革命』が可能になる。また、サービス便益の増大はサービス需要増加と事業者の収益増大につながり、再投資を促進する」と期待を示した。今回のITインフラ高度化計画は1995年、04年に次いで3度目だが、前2回が有線通信網に焦点を置いたのに比べ、今回は有線・無線通信に加え放送網まで加え情報インフラを融合化した点に特徴がある。
放送通信委関係者は、「今回の計画は放送と通信を融合したITインフラを構築し、教育、医療、電子政府、電子商取引など多様なサービスを提供することに狙いがある。計画通りにいけば、国民生活も画期的に変化するだろう」と語った。