李明博大統領の15日から2泊3日の米国公式訪問は、韓米関係が友情と信頼に基づいたパートナーであることを国際社会に印象付けた。その成果として「韓米同盟未来ビジョン」採択がある。これは、従来の軍事・安保重視の同盟関係を政治・経済・社会・文化など包括的な戦略同盟関係に発展させようというもの。気候変動やエネルギー資源、世界金融危機など世界レベルの問題についても協力する。懸案の韓米FTA(自由貿易協定)問題についても、早期批准に向けてお互いに努力することで合意した。
訪米のメイン行事である16日のオバマ大統領との首脳会談は、当初単独首脳会談15分に関係閣僚出席の拡大首脳会談35分の予定だったが、実際には単独会談だけが50分行われた。それだけ両首脳が虚心坦懐に緊密な対話を交わしたようだ。
李明博大統領とオバマ米大統領は会談で、両国政府が2年前に締結しているにもかかわらず、いまだに批准されていない韓米FTAに関し、両国の利益になるという認識で一致、適切な時期に批准に取り組むことで合意した。だが、批准案の米議会提出時期まで踏み込むことができなかった。依然として解決されていない自動車問題が大きなネックになっている。
会談後に採択した韓米同盟未来ビジョンは、韓米相互防衛条約は過去50年以上も韓半島と東北アジアの平和と安定を支える礎石であり続けてきたとした上で、①韓米両国は共同の価値と相互信頼に基づき、世界規模で包括的な戦略同盟を築く②米国による「核の傘」を含む「拡大抑止」への継続的な約束はこのような保障をより強化する③韓米FTA進展のため共に努力すると明記。統一問題に踏み込んで、自由と民主主義、市場経済の原則に基づく平和的な統一をめざすと記している。
特に、韓半島の有事には米国が核の傘と在来式戦略を提供することで脅威を除去するとの内容の「拡大抑止」概念を、初めて首脳間の合意文に明文化し、北朝鮮の軍事的脅威に対する実際的なけん制措置を講じた点が注目される。
李大統領は今回の訪米で、オバマ政権の中核閣僚に会うことから活動を開始した。李大統領は米通商代表部のカーク代表、ゲーツ国防長官、ガイトナー財務長官、クリントン国務長官らと相次ぎ会い、北朝鮮核問題とFTAの2大課題について共感の輪を広げた。また、韓米両国が次世代知能型電力網のスマートグリッドの開発と普及に向けた協力に合意し、世界的な投資会社のJPモルガンからグリーン産業分野で10億㌦の投資を誘致する成果もあげた。
今回は「実務訪問」だったが、宿舎に外国賓客の迎賓館であるブレアハウスがあてがわれ、ホワイトハウスの大統領執務室であるオーバルハウスで会談し、共同記者会見はローズガーデンで行われた。昼食会を含めオバマ大統領と2時間以上を共にし、最高水準の待遇を受けたとされている。