7日からポーランド、イタリア、スウェーデンの欧州3カ国を歴訪中の李明博大統領は、ラクイラ・サミット(主要先進国首脳会議)にも参加、活発な首脳外交を展開している。イタリア中部のラクイラで10日まで開かれる今回のサミットで李大統領は、韓国のグリーン成長戦略を説明、温室効果ガスの削減へ向けた国際協力を強化するとアピール。最初の訪問国ポーランドでの首脳会談ではエネルギー分野での協力強化などに合意したが、最後の訪問国のスウェーデンではEU(欧州連合)とのFTA交渉妥結宣言をめざしている。
李明博大統領は8日、修交20周年を迎えたポーランドのカチンスキ大統領と首脳会談を行い、2004年に宣言した両国間の未来志向的パートナー関係の内実化に向け、政治、経済、文化の全分野へと協力関係を拡大することで一致。液化天然ガス(LNG)や原子力発電所、再生可能エネルギーなどのエネルギー産業分野での協力強化にも合意した。
李大統領は特に、ポーランドが2013年完工を目標に進めている初のLNGターミナルと原発プロジェクトに韓国企業が参入できるよう要請した。これに対し、カチンスキ大統領は積極的に検討すると応じた。また、10億㌦相当のポーランドの高等訓練機16機導入事業で韓国防衛産業メーカーへの発注を検討することも約束した。
翌9日、李大統領はバチカンのローマ法王庁を訪れ、法王ベネディクト16世を表敬訪問。法王との面会は、現職大統領としては3回目となる。双方はその席で、韓国のカトリックとローマ法王庁との関係発展策などを協議。その後、李大統領はラクイラに移動し、サミット拡大首脳会議と主要経済国フォーラム(MEF)に出席した。特に、MEFでは韓国政府の「低炭素グリーン成長」関連政策を説明し、気候変動対応に向けた国際協力強化を力説。
韓国のサミット参加は昨年の洞爺湖サミットに次いで2度目。今回のサミットは8日のG8の首脳会議に続き、9日午前中にG8と新興5カ国(中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ)+エジプトとの首脳会議を開催。午後は地球温暖化に関するMEFで韓国、オーストラリラ、インドネシア、デンマークが加わって協議。10日には上記の国すべてとアフリカ主要国、オランダ、スペイン、トルコが参加する拡大サミットを開き、28ヵ国・12の国際機関が参加する過去最大のサミットになる。いまや一握りのG8では世界の問題解決は不可能な時代になってきた。韓国はその重要な一翼を担っている。
李大統領はサミット期間中にカナダやロシア、オーストラリア、イタリアとも首脳会談を行い、懸案を話し合う予定だ。
最後の訪問国スウェーデンでは、EU議長も務めるラインフェルト首相との首脳会談でFTA交渉妥結宣言をめざしている。政府関係者は「交渉はほとんどの事案ですでに合意点を見出し、事実上の合意直前段階だ」と話し、争点の関税還付問題に関する欧州委員会内部の合意が最終段階にあり、妥結宣言に間に合うと期待している。