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2009/10/16

<総合>韓日中FTAへ産・学・官共同研究

  • 韓日中FTAへ産・学・官共同研究

    握手する首脳。左から李明博大統領、温家宝首相、鳩山由紀夫首相

 韓国、日本、中国の3カ国政府は、10日北京で行った韓日中首脳会談で3カ国間のFTA(自由貿易協定)推進に共感したことを受け、早期に産・学・官の共同研究に着手することになった。首脳会談では、東アジア共同体を長期目標とすることにも合意をみており、韓日中3カ国はさらなる相互協力へ向け大きく踏み出した格好だ。

 李明博大統領と鳩山由紀夫首相、温家宝首相の3首脳は、今回の会談で韓日中FTAの必要性に原則的な共感を示した。李大統領は「韓中日FTAは民間レベルの共同研究の段階を超え、政府レベルの協議が開始される必要がある」と語った。鳩山由紀夫首相も「日中韓3カ国のFTAが進展することを期待する。3国の投資協定も、来年早期に締結されるよう希望する」と語った。

 韓日中FTAについてはこれまでも議論されてきたが、中国が積極的な半面、韓国は留保的、日本は慎重だった。このため進展がみられなかったが、今回の首脳会談を契機に、政府間交渉へ向け前進することになった。

 今回、3カ国首脳は李明博大統領の発案で、韓日中FTAを含め、3国首脳会談の議題の決定や管理を行う「サイバー事務局」の設置で一致した。また、金宗壎(キム・ジョンフン)通商交渉本部長と中国の陳徳銘商務相は、韓中FTAの締結を積極的に検討する内容の「韓中経済通商協力ビジョンの報告書」に署名した。

 3カ国間でFTAが締結すれば、韓国の貿易は10%、中国12%、日本も5・2%増え、経済成長率を押し上げるとの共同研究結果が出されている。

 専門家らは、韓日中FTAのような多国間交渉が韓中、韓日、日中といった2国間交渉より各国政府の政治的負担を軽減できると分析している。

 3カ国首脳はまた、「韓日中首脳会談10周年記念共同声明」を採択、「今後3カ国の協力を戦略的観点から実行し、協力をより高い段階に発展させる」ことを誓い合った。これとは別に、「持続可能な開発へ向けての共同声明」を採択した。

 一方、北朝鮮核問題については、温首相が今月4日からの訪朝結果を説明し、「金正日総書記と数回会い、合計で10時間一緒にいた。最も長い会談は4時間だった。北朝鮮は6カ国協議に柔軟な姿勢を見せ、米国との関係改善を望んだだけでなく、韓日との関係改善も望んでいる」と語った。

 李大統領は「いつでもグランドバーゲン(一括妥結)の方針を説明し、協力を求めようと思う」と述べる一方、「核の放棄が前提になってこそ、北朝鮮が望む協力を行うことができる」と語った。

 韓日中首脳会談は日帰りのシャトル外交となるまで定着したが、今回は特に東アジア共同体の柱になるFTAの共同研究開始が決まった。東アジアの時代に向けお互いの利害損得を乗り越え、韓日中3カ国が協力することが大事であるとの認識を深め合ったことの意味は大きい。