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2009/11/13

<総合>資源、環境、エネルギーなど・中南米と経済協力強化へ

  • 資源、環境、エネルギーなど・中南米と経済協力強化へ

       会談場に向うバチェレ・チリ大統領㊧と李明博大統領

 グローバル化時代に韓国は全方位外交を展開しているが、資源、市場潜在力を秘めている中南米やアフリカ、中央アジア諸国との関係強化に本格的に乗り出すことになった。政府はまず中南米諸国との経済協力を強化するための総合対策を樹立し、資源、エネルギー、環境、農業、建設、インフラなど協力分野の拡大を打ち出した。また、グアテマラ、ボリビアなどを対象に2012年までに2600億ウォンの対外経済協力基金の支援を行う計画だ。貿易面では5年前に発効したチリとのFTA(自由貿易協定)が大きな成果をあげているが、現在推進中のペルーに続いてコロンビアとも交渉を開始する。ブラジルとは閣僚級の経済長官会議の設置など、多様な協力策を進める計画で、中南米諸国も協力内容に関心を寄せている。

 政府は、バチェレ・チリ大統領、モレノ・米州開発銀行(IDB)総裁らが出席してソウルで10~11日開催の韓国・中南米高官級フォーラム向けに「韓国・中南米経済協力拡大方案」を策定し発表した。中南米の経済協力強化のための総合的な対策はこれが初めて。

 資源の宝庫であり、高い購買力と成長力を見せる中南米地域が欧州に次ぐ韓国の有力な経済パートナーとして浮上したことを受けてのものだ。

 総合対策によると、メルコスール(南米南部共同市場)と貿易交渉の可能性を論議するため、共同協議体の設置などを進める。コロンビアとは投資保障協定を結び、今月中にFTA交渉開始を宣言する方針だ。また、ペルー、コロンビア両国とは、二重課税防止協定交渉も早期に終わらせる。

 投資活性化に向けては、IDBと韓国輸出入銀行間の協力覚書(MOU)に基づきバイオエネルギー、風力など韓国企業が関心を抱いているプロジェクトへの協力・融資を進める。IDBの「貿易金融支援プログラム」に対する韓国の銀行の参入も拡大する。

 特に、資源とエネルギー、グリーン成長分野の協力に力を入れている。ベネズエラ、ペルー、コロンビアとは資源協力委員会を設置しており、同委を通じて油田・ガス田協力事業を開拓し、新規発展プロジェクトに関するMOUも締結する。ブラジル、ペルー、エクアドル、ベネズエラとは環境協力MOUを締結し、韓国企業のごみ埋立地建設をサポートする。ブラジルとは両国農業研究機関間の共同研究で、原料作物の開発と生産技術の確保も進める。

 山林バイオマス確保と気候変動共同対応に向けては、政府間山林協力チャンネルを活性化し、パラグアイ、ウルグアイへの山林投資進出を促進する。チリ、ペルー、メキシコでは韓国企業の海水淡水化事業への参入を拡大する。

 建設・インフラ部門でも、政府間MOU締結で業界を支援する。ブラジルなどと設置した産業協力委員会を介し、ブラジル経済自由区域に投資調査団を派遣する。ペルー、チリとは建設協力MOUを結び、当局間協力チャンネルを稼動させる。これとともに、2012年までに2兆ウォン規模で設立するグローバルインフラファンドなどを利用し、現地市場開拓を支援していく。

 BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の中で唯一、閣僚級の経済会議がないブラジルとは、経済長官会議の設置を進める。特に、ブラジル高速鉄道事業への韓国企業の受注を支援するほか、IDBと協力し、2014年サッカー・ワールドカップ、2016年五輪のブラジル開催についてコンサルティングを提供し、韓国企業のインフラ構築参入を打診する。