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2009/05/01

<総合>「4大河川再生事業」9月着工へ

  • 「4大河川再生事業」9月着工へ

    4大河川再生事業の中間合同報告大会。中央が李明博大統領

グリーン・ニューディールの核心事業、漢江など「4大河川再生事業」が9月に着工へ向け動き始めた。政府は27日、青瓦台(大統領府)で李明博大統領が出席のもと4大河川整備事業の中間合同報告大会を開き、「多目的グリーン成長プロジェクト」というべき事業計画を事実上確定した。従来の洪水対策中心の水政策とは異なり、①水不足解決②洪水防衛③地域発展の3つを柱にした利水治水の多目的プロジェクトだ。総事業費は13兆9000億ウオンを予定。2012年完工をめざす。

今回の4大江再生事業は昨年12月に構想が打ち出され、大統領諮問機関の地域発展推進委員会、グリーン成長委員会、国家建築政策委員会の3委員会と国土海洋部、環境部、文化体育館後部、農林水産食品部の4部署が合同で推進してきた。最終的なマスタープランは5月末に発表する。この日の報告大会には4大河川周辺自治体長や関係専門家らも参加。各部から同プランに盛る内容の報告が行われた。

 基本方向は、当面した経済危機克服と未来成長エンジンの創出だ。李大統領は、この事業の意義について、「国家100年の大計と気候変動という人類の共通課題に対する備えになるということを認識しなければならない」と述べ、「これはわれわれに与えられた大きな義務」と強調した。大運河計画が頓挫したこともあるが、李大統領の今事業にかける意気込みは並々ならぬものがある。

 今事業で最も力を入れているのは、将来の水不足に備えての用水確保。計画では2012年までに12億5000万㌧の用水を新たに確保し水不足問題を解決する。このため、3つの中小ダムと16に堰を建設する。

 12億5000万㌧といえば、全国15のダムの総貯水量120億㌧の1割以上。これは面積7万平方㍍、高さ47㍍のソウルのオリンピック競技場370個分に相当する量だ。韓国ではこの10数年現在の予測では、2011年に8億㌧、2016年には10億㌧の水不足事態が懸念される。2030年には水戦争も勃発するとの説も登場するなど水不足に備える必要性は増している。

 計画ではまた、気候変動による洪水被害が増大するとの見通しのもと、川底の浚渫、洪水調節池・川べり貯蔵池の建設、老朽化した堤防573㌔㍍に対する補強などの対策も講じる。洪水被害は、毎年2兆7000億ウォン規模に達しており、これによる復旧費用4兆2000億ウォンにのぼる。近年、天候異変が頻発しており、今後どんな異変が起こるかわからないだけに、洪水対策は重要だ。

 これとともに、水質改善にも全力を入れる。4大河川の90%以上の水質をBOD(生物化学的酸素要求量)基準で2級(3ppm以下)水準に改善する計画だ。3ppm以下の水質であれば、ろ過することで飲料用にできる。このため、各種水質汚染防止対策を講じ、生態系復元作業も実施する。

 用水確保・水質改善以外に、「文化が流れる4大江」というコンセプトも加味している。地域発展および文化振興などを総合的に盛り込もうというもので、主要河川を生活・余暇・観光・文化・グリーン成長を組み合わせた多機能複合空間に作り変える。内陸と河、海を行きかい、観光を楽しめるエコリバークルーズも計画している。

 経済効果も大きい。新たに19万人分の雇用が創出され、23兆ウォンにのぼる生産誘発効果があると試算されている。

 今後、5月末のマスタープランを発表、6月に工事を発注、土地収用や住民補償、環境影響評価などを実施し、9月から可能な区間で同時着工する計画だ。だが、今回の事業について、一部市民団体などから「開発時代の論理だ」「大運河計画の布石だ」と批判する声が依然と消えていない。政府は今事業の必要性と環境改善や経済的効果が大きい点をあげて説得にあたっているが、大運河騒動があっただけに物議を呼ぶ素地がある。