李明博大統領は3日、11日から2日間ソウルで開かれるG20(主要20カ国・地域)首脳会議を控え、内信・外信向け記者会見を開き、同会議に臨む議長国としての基本方針を明らかにした。特に、今回の首脳会談で初めて議題に採択された「開発問題」について、開発途上国の自立を支援する「100大行動計画」が講じられる予定だと強調した。また、新たな争点に浮上した通貨切り下げ競争を防止するガイドラインをいかに作るかが論議される見通しだと語った。
今回の首脳会議の主要テーマは①為替②国際金融セーフティーネット構築③国際金融機関の改革④開発の4点。特に開発と国際金融セーフティーネットは「コリア・イニシアチブ」として韓国が主導する。
李大統領はこの日の会見で開発問題について、「これまでのような単なる財政的援助のレベルを超えて、途上国が成長潜在力を高め、自立できるように具体的な行動計画が採択されなければならない」と強調、その具体策として「100大行動計画」を明らかにした。
李大統領は特に、「途上国が経済成長を通じて需要を創出すれば、世界経済が持続的に成長する助けになり、世界経済の均衡発展にも寄与するだろう」と強調した。
最貧国を中心とする途上国への支援を話し合う開発議題は、新たな経済秩序を形成する上でも重要なテーマであり、韓国は議長国としてこの間、積極的に働きかけてきた。G20メンバー国からインフラ、貿易、人的資源開発など開発議題と関連した70以上の計画案が提出されている。これを参考に行動計画案作りを進めている。
G20首脳会議準備委では、「世界経済の新たな需要は韓国と中国、インド、ブラジルなどの新興国の消費とインフラ投資などから生まれる」としながら、「今回の行動計画は、途上国を世界経済の成長の今ひとつの軸にする手段になるだろう」と期待した。
このような途上国の自立化支援について、李大統領は1日の第51回ラジオ・インターネット演説で「魚を与えるのではなく漁ができるよう国際社会が後押ししていくものであり、このような支援を通じて、より公正な社会をつくることができる」と位置づけた。
同演説でコリア・イニシアチブの今ひとつの議題である国際金融セーフティーネットについて、「韓国は98年の通貨危機のとき、2万社以上の企業が不渡りを出し、100万人余りの失業者が発生する困難に陥った」と振り返り、「危機を事前に防ぐことができるよう世界が協力し、しっかりとした国際金融セーフティーネットを作らなければならない」と力説した。
会見では、記者団が注目する為替問題について「慶州で開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議では、通貨・為替問題だけでなく経常収支の総合的な評価をガイドラインとして作成することに各国が協力することで合意した」と説明。この合意の精神からさらに一歩進んで意見を交わせば、首脳会議で具体的な成果を出せるとの見方を示した。