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2010/10/01

<総合>国会提出・来年予算案309兆6000億ウォンに

  • 国会提出・来年予算案309兆6000億ウォンに①

    来年度予算の政府案を確定した国務会議

  • 国会提出・来年予算案309兆6000億ウォンに②

 政府は1日、庶民に希望を与え、未来に備えることを謳った来年度予算案を国会に提出する。来年度予算規模は、基金93兆7000億ウォンを含めた総支出が今年度比5・7%増の309兆6000億ウォン。本予算で300兆ウォン突破は初めて。一方の総収入は8・2%増の314兆6000億ウォン。これにより統合財政収支は、今年度の2兆ウォンの赤字から5兆ウォンの黒字に転換する。来年の実質経済成長率を5%と見込み、税収が増大するとの前提で編成した。

 政府は来年予算案を李明博大統領が出席した9月29日の国務会議で議決。柳性杰(リュ・ソンゴル)・企画財政部第2次官は、「来年の財政運用の目標は庶民に希望を与え、未来の成長基盤を拡充することにおいた」述べ、「総支出増加率5・7%が総収入増加率8・2%より2・5ポイント低くなり、健全財政の基盤を構築した」と説明した。

 予算の分野別配分を見ると、保健・福祉・労働分野の予算が今年度より5兆1000億ウォン多い86兆3000億ウォンに増額、総支出に占める比率を27・7%から27・9%に高まっている。「庶民に希望」「未来への備え」に重きを置いていることが分かる。まず、「庶民の希望」のため、①保育②児童の安全③教育④住居・医療⑤障害者⑥高齢者⑦低所得層⑧配偶者が外国人の多文化家庭の8分野を重点課題に設定し、今年度比3兆ウォン増の32兆1000億ウォンを振り向けている。

 これにより、4人家族で月収450万ウォン以下の家庭への保育費支援、公共型保育施設の導入、専門高校(商業・工業高校)の無償教育、低所得層の成績優秀者への奨学金などの事業が進められる。

 また、地方交付税の増加と過去2年間凍結された公務員報酬の5・1%引き上げで、一般公共行政が9・3%増の53兆2000億ウォンに膨れ上がった。統一・外交分野も9・0%の大幅増となった。これは国際機関の分担金増やODA(政府開発援助)を30%増の1兆6000億ウォンに増やしたことなどによる。 

 「未来への備え」に関する予算としては、次世代輸出産業や中小企業の競争力強化、気候変動への対応など8課題に今年度より2兆9000億ウォン多い23兆7000億ウォンを投じる。自動車・造船など5つの先導技術に955億ウォン、世界最高レベルとなる10大中核素材開発に1000億ウォンなどを配分している。

 これに比べ、SOC(社会間接資本)分野の予算は唯一3・2%削られ、24兆3000億ウォンに減った。特に新規道路予算は反映されなかった。これは大衆交通手段の道路から鉄道への政策転換もある。4大河川再整備事業に限っては600億ウォン増の3兆2800億ウォンに増額された。赤字国債の発行規模は22兆ウォンで、今年度の29兆3000億ウォンから減少する。

 政府は予算案とともに2010~2014年の国家財政運用計画も確定した。これによると、国家債務をGDP(国内総生産)の30%中盤を超えないよう管理し、今年のGDP比36・1%から来年に35・2%、14年には31・8%(492兆2000億ウォン)に低下させ、租税負担率は小幅上昇の19・8%にする計画だ。