来年の経済成長率は、今年の6・1%をかなり下回りそうだ。政府は14日、経済成長率を5%前後とした来年の経済政策方針を李明博大統領に報告した。韓国銀行はこれより低い4・5%と予測。特に上半期(1―6月)は3・8%に低下すると厳しく見ている。民間研究機関の多くは政府や韓銀見通しよりもさらに低く予想しており、来年の韓国経済は楽観ができなくなってきた。
尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)・企画財政部長官は、来年は雇用創出と生活物価管理に総力を挙げると報告。就業者を28万人増やし、消費者物価を3%前後で抑えるとしている。輸出は10%、輸入も15%ほど増え、「貿易規模1兆㌦時代」が到来する見通しだ。
政府の成長見通しは、韓国の潜在成長率5%をと同水準。06年と07年は潜在成長率水準の5・2%と5・1%を記録したが、世界金融危機の影響で08年2・3%、09年0・2%へと急落。今年は予想通り6・1%を記録すれば、02年の7・2%以来の高成長になる。
政府見通しより厳しい4・5%を予想している韓銀は、「来年の経済成長率見通しは、世界金融危機直前の07年までの8年間の成長率の平均水準である。今年は輸出好調やほぼゼロ成長だった前年の反動で成長率が高かったが、来年は正常に戻る」と説明している。
他の研究機関は、韓銀の見通し以上に厳しくみている。国策研究機関のKDI(韓国開発研究院)は4・2%と予想しており、民間研究機関のサムスン経済研究所(3・8%)やLG経済研究院(4・0%)はもっと低めに予想している。韓国経済はすでに下降局面に入ったという診断だ。
来年の経済が今年より厳しくなるという点では各機関とも共通している。韓銀見通しでも、輸出、雇用、物価など主な経済指標が一斉に悪化し、国民が肌で感じる対感景気は今年より悪化する。このような見通しは、米国や中国を中心に世界経済の回復が遅れ、輸出が鈍化することが大きな要因になっている。
政府は、来年上半期に予算の57%を早期執行する方針だ。企画財政部関係者は、来年の景気は上半期が厳しくなる見通しなので、予算の早期執行で上半期に総需要を補完すると同時に、為替不安など対内外リスク要因に積極的に対応すると説明した。