李明博大統領は8日、新国務総理に金台鎬(キム・デホ)・前慶尚南道知事を指名し、特任長官と教育科学・文化観光・農林水産・知識経済・保健福祉・雇用労働など7長官と中央労働委員長と国務総理室長の長官級、法制処長、国税庁長を含む就任以来最大規模の内閣改造を断行した。先月の青瓦台(大統領府)人事に次ぐ今回の内閣改造で25日に折り返し点を迎える李政権は、後半期を国政運営に活力を吹き込む考えだ。新総理に指名された金台鎬氏は満47歳。39年前に45歳で総理になった金鍾泌氏以来の若返りだ。(2面に新閣僚名簿)
金台鎬氏は、慶尚南道居昌出身で、居昌農業高校、ソウル大農学部を卒業、国会議員補佐官と慶尚南道議員、居昌郡守を経て、04年の慶尚南道知事補欠選挙で最年少知事に当選、2期務めた。
金氏は総理指名を受けて、ソウル市内の個人事務所で記者会見を開き、李政権の国政運営の哲学は「親庶民・中道実用と経済再生だ」と強調し、これを実現するため最も重要なことは国民の疎通と統合だとの考えを示した。また、青年層が喪失感に陥っていると指摘、「韓国は機会の地であり、勇気をもって跳躍できるとの自信感を若者に与えたい」と述べた。
今回の内閣改造で40代の総理指名とともに注目されるのは、国会調整と対北朝鮮関係を担当する特任長官に李大統領の側近として知られる与党ハンナラ党の李在五(イ・ジェオ)議員が起用された点だ。李氏は30年間民主化運動に加わり、5回計10年間を刑務所で過ごした在野出身で、李政権誕生に貢献した人物だ。7月の国会議員再・補欠選挙で当選し、2年3カ月ぶりに国会に復帰した。
若い総理の経綸を補完すると同時に、対立軸が残る与党を一つにまとめ、与党・政府・青瓦台の統合調整という役割を担うものと予想される。金台鎬氏が未来志向的な対国民イメージ、李在五氏が与党の実質的調整役を分担する可能性が高い。「内閣の二頭立ての馬車」との評もある。
教育科学技術部長官には李周浩(イ・ジュホ)・第1次官、文化体育観光部長官には申載旻(シン・ジェミン)・第1次官、知識経済部長官には李載勲(イ・ジェフン)・第2次官がそれぞれ昇進起用された。農林水産部長官は劉正福(ユ・ジョンボク)・ハンナラ党議員、保健福祉部長官は陳寿姫(チン・スヒ)・ハンナラ党議員、雇用労働部長官は朴宰完(パク・チェワン)・前国政企画首席秘書官が内定した。
閣僚以外では国務総理室長に林采民(イム・チェミン)・前知識経済部第1次官、中央労働委員長に鄭鍾秀(チョン・ジョンス)・前労働部次官がそれぞれ起用され、次官級の国税庁長に李炫東(イ・ヒョンドン)・国税庁次長、法制処長に鄭善太(チョン・ソンテ)・対日抗争強制動員被害調査及び国外強制動員犠牲者ら支援委員長が内定。
青瓦台の洪相杓(ホン・サンピョ)・弘報首席秘書官は、李政権の第3期内閣について「疎通と統合の若い内閣」として、新総理候補には「地域、世代、階層間の疎通と統合のリーダーシップ発揮」を期待した。
24日から2日間の人事聴聞会後、国会承認を経て新総理は誕生するが、野党は「李大統領の親衛隊を前面に押し出し、国民を無視した過去最悪の内閣改造」(民主党)と一斉に反発しており、波乱も予想される。内閣の平均年齢は60・4歳から58歳に若くなった。