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2010/09/17

<総合>2015年まで・外国人直接投資600億㌦誘致

  • 2015年まで・外国人直接投資600億㌦誘致

    サービス部門の外国人誘致案を協議する外国人投資委員会

 政府は14日、知識経済部、企画財政部、教育科学部など13部署の長官と16の市・道自治体首長が出席する外国人投資委員会を開催し、2015年までにサービス分野で600億ドル規模の外国人直接投資を誘致し、15万人の雇用を創出するとした「サービス部門の外国人投資活性案」を確定・発表した。現在、OECD(経済協力開発機構)加盟国平均の63%にすぎない1人当たりのサービス生産性も70%まで引き上げ、サービス収支を25億㌦改善させる計画だ。

 今回の外国人誘致作戦は、大きく4つの分野からなる。①知識サービス②観光・レジャー③物流・インフラ・流通④金融・教育・医療を重点誘致対象に選定し、各分野別に差別化された誘致活動を展開するというものだ。そのため、制度改善と規制緩和も積極的に進めるとしている。

 まず知識サービス分野で多様な対策が講じられる。特にグリーン成長・新成長エンジン分野のグローバル企業が国内にR&D(研究開発)センターを設立する場合、現金支援限度を投資額の30%から40%まで拡大する計画だ。また、済州道などで進められているスマートグリッド(次世代送電網)事業に進出する外国企業に対しても現金支援などインセンティブを強化する。

 エネルギー節約専門事業(ESCO)では、設備投融資予算を今年の1350億ウォンから来年には3000億ウォンに増額するとともに、3000億ウォン規模のESCO融資基金を新設し、投資環境の改善を図る。

 また、産業融合促進法の制定や遠隔医療を認める医療法改正など、制度改善を進める一方、Uヘルス、3D(3次元)立体映像コンテンツなどの中核技術も外国人投資の租税減免規定に含める。

 第2の観光・レジャー分野に関しては、マリーナ港開発事業への外国投資企業の参入を活性化するため、「マリーナ港湾法施行令」を改正する。また、西海岸と済州の複合観光レジャー団地には中国・中華圏の資本、南海岸には日本・EU(欧州連合)・中東圏の資本を主に誘致する。リゾート型住居、医療機関などを含め、観光団地内に設置可能な施設を拡大するため観光振興法を改正する計画だ。特に、全国の観光・レジャー団地で5億ウォン以上のリゾート施設投資をする外国人投資家には永住権を付与する。

 第3の物流・インフラ・流通分野では、主要物流拠点に流通、製造業などが混合した物流センターを誘致する。その第1の候補として、釜山新港の背後団地に自動車部品などの製造業と連携した物流センターを誘致する計画だ。また、民間資本による道路などに対する大規模な資本投資も進める。

 第4の金融・教育・医療分野では、シンガポールのテマセック、中国投資有限責任公司(CIC)など外国政府系ファンドと共同のファンドの設立を進める。

 韓国のサービス分野の外国人直接投資規模は昨年75億9000万㌦で、GDP比6・4%に過ぎない。これは世界平均の16・5%に比べ極めて低水準だ。これまでの外国人投資は製造業中心に誘致活動が進められてきた。雇用創出のためにもサービス産業の育成が必要となり、今回の本格的な誘致計画が立案されたが、どんな効果を生むのか注目される。