サムスン電子、現代自動車、LG電子、ポスコ、斗山重工業など韓国を代表する企業のインド進出が本格化している。人口12億人、購買力世界4位の巨大市場は、年初にCEPA(経済協力連携協定)が発効したことで、進出余地がさらに広がっており、24日からの李明博大統領のインド訪問にも財界首脳らが大挙同行する。今後、韓国企業のインド市場攻略に加速がつきそうだ。
李大統領に同行する経済人は、鄭夢九(チョン・モング)・現代自動車会長、鄭俊陽(チョン・ジュニャン)・ポスコ会長、李潤雨(イ・ユヌ)・サムスン電子副会長、南鏞(ナム・ヨン)・LG電子副会長らと趙錫來(チョ・ソンネ)・全国経済人連合会会長、孫京植(ソン・ギョンシク)・大韓商工会議所会長、司空壱(サゴン・イル)・韓国貿易協会会長ら経済団体長が予定されている。インド市場にかける期待の大きさを示している。
インド南部のチェンナイに年間生産能力が各30万台規模の2工場を稼働中の現代自動車は、第3工場の建設を検討している。今回の鄭会長の訪問を通じて具体化する可能性がある。
インド市場で現代自動車のシェアは21%を占め、日本のスズキと合弁のマルチに続く2位。現代自動車関係者は、「昨年、インドで生産能力に近い生産・販売実績をあげており、生産設備を拡大する必要がある」と語っている。
インドで橋頭保を確保しているポスコは、現在ムンバイ近郊など3カ所で鉄鋼加工センターを稼動中だが、東部のオリッサ州で年産1200万㌧規模の一貫総合製鉄所を年内着工する運びになっている。また、西部ハマラシュトラ州で年間45万㌧規模の連続亜鉛鍍金工場の建設に拍車をかけている。ポスコはさらに、南部のカルナタ州で第2一貫総合製鉄所建設計画を推進中だ。
電子業界も、インド市場の本格開拓に乗り出している。特に、2工場を稼動(3400人従事)しているLG電子は、今年はインドでの事業に力を入れており、今回インドを同行訪問する南副会長は、同国での営業をさらに強化する方針を明らかにした。インド市場でLG電子は2005年から昨年までに年平均45%の売上増を記録、テレビ、洗濯機、エアコン、冷蔵庫、電子レンジなどでインド市場1位の座を占めている。
サムスン電子は、北部のノイダと南部のチェンマイにテレビと冷蔵王など家電工場を稼動中だが、インド市場の潜在力の大きさを重視、生産ラインと生産能力を拡充するなど市場攻略に本腰を入れる計画だ。
斗山重工業の動きも注目される。同社はインド発電市場で30年まで計270ギガ㍗規模の発電所を建設する目標にしている。現在も4億㌦規模と12億6000万㌦規模の火力発電所を建設中だ。
韓国電力は、インド原子力発電市場に対する本格的な攻略に乗り出している。昨年8月にはインド原子力公社と原発事業相互協力協定を締結。今回の李大統領の訪問を契機に、巨大市場・インドへの進出は今後さらに拡大していきそうだ。