サムスン電子やLG電子、現代自動車など韓国を代表する企業が世界市場で存在感を高めている。昨年の業績は世界的不況にもかかわらず、これら企業は好業績をあげ、世界シェアを高めた。サムスンの携帯電話は20%を超え、現代・起亜自動車も7・8%に達した。景気回復が見込める今年はさらに攻撃的な経営で、世界のライバルとし烈な競争を繰り広げることになりそうだ。
サムスン電子は昨年、史上最高の売上高を記録、独シーメンス、米ヒューレット・パッカードを抜いて世界最大のIT企業に浮上した。国内外の事業場を合計した連結基準の売上高は前年比15・1%増の136兆2900億ウォンを記録、営業利益も91・2%増の10兆9200億ウォンに達した。
4兆ウォンを超える営業利益を出した情報通信(携帯電話)をはじめ、半導体、LCD(液晶ディスプレー)、デジタルメディア(テレビなど)の4大主力事業がすべて兆ウォン単位の利益を計上。携帯電話は全世界で2億7000万台を販売。薄型テレビは3000万台を突破した。携帯電話の世界シェアは前年の16・7%から20・1%に上昇、シェアを落としたトップのノキアに迫っている。
今年就任した崔志成(チェ・ジソン)社長は、ラスベガスの家電ショーで「自信ある年になるだろう。今年、北米市場での販売は20%増をめざす」と語った。サムスン電子は今年の売上高を150兆ウォンに設定、設備投資も大幅に拡大する計画であり、存在感はさらに高まりそうだ。
LG電子は、液晶テレビの好調などで史上最大の業績を上げた。売上高は前年比12・5%増の55兆5241億ウォン、営業利益は35・25%増の2兆8855億ウォンを記録した。
売上高、営業利益とも創業以来最大となった。最大のけん引役は1950万台(前年比50%増)を販売したテレビ。そのうちの1630万台を占めた液晶テレビが最も貢献した。携帯電話も前年比17%増の1億1790万台を販売、世界シェアはサムスン電子に次ぐ世界3位につけている。
LG電子関係者は「今年は世界景気回復で世界の携帯電話市場の上昇が予想され、家電市場の需要も期待できる」として陣容を拡大、LCD、携帯電話などを中心に7600人採用する計画だ。
現代自動車の存在感も確実に高まっている。昨年は世界のほとんどの自動車メーカーが大幅な販売減少に陥ったが、現代自動車は、海外工場生産分を含め11・7%増の310万6178台の販売を記録した。国内生産車の販売は161万1991台(内需70万1469台、輸出91万522台)で、前年比3・4%減にとどめた。世界シェアは5・2%を記録、初めて5%台に乗せた。
売上高は前年比1%減の31兆8593億ウォン(内需16兆670億ウォン、輸出15兆7923億ウォン)で、営業利益は過去最高の2兆2350億ウォン(19・1%増)だった。輸出はロシア向けの急減などが響いた。
起亜自動車は昨年、内需好調とウォン安で初めて営業利益が1兆ウォンを超えるなど、過去最大の実績を記録した。 国内外で114万2038台を販売し、売上高が前年比12・4%増の18兆4157億ウォン、営業利益は前年の3・7倍の営業利益1兆1445億ウォンを記録。世界シェアは2・6%を記録、現代自動車と合計で7・8%を占める。
今年は販売目標を194万台(国内工場127万台、海外工場67万台)に設定、世界シェアも3%台をめざす。