25日、李明博大統領が就任2周年を迎えた。2年前、国民の期待を背に「747」(7%成長、国民所得4万ドル、7大先進国入り)政策を掲げスタートした李政権だったが、狂牛病事件で支持率が10%台に急落、米国発世界金融危機で経済は打撃を受けるなど多難な船出だった。しかし、迅速に経済危機を克服、「低炭素グリーン成長」戦略など未来に向けた国政の舵取りを怠らなかった。外交面でもG20(主要20カ国・地域)の韓国誘致や200億㌦規模の原子力発電所の受注などの成果をあげた。この結果、最近では支持率は50%近くにまで回復した。青瓦台(大統領府)は、「現政権の国政結果」を発表、「民生を優先する国政運営を通じて先進国に跳躍する基盤を固めた」と自賛したが、世宗市建設問題にみるように国民統合には失敗しており、雇用不安が広がるなど3年目に入った李政権の課題は山積している。
李明博政権2年間の国政運営について国民はどう見ているだろうか。韓国ギャラップの世論調査結果によると、李大統領の支持率は44・2%に達し、昨年2月の就任1周年の33・5%に比べかなり回復した。特に外交政策への評価が高く、59・4%に達した。しかし、それ以外では対北朝鮮政策(36・6%)、経済(36・0%)、社会秩序確立(33・5%)、政治安定(19・3%)とおしなべて厳しい評価だった。
外交の高い評価は、G20首脳会議の誘致やUAE(アラブ首長国連邦)からの原発受注などで国民に自信感を取り戻させたからだろう。青瓦台の報告によると、李大統領はこの2年間で平均5・3日ごとに国内外で首脳会談を行った。海外93回、国内44回の計137回にのぼる。最も多い日本との首脳会談は11回にのぼる。資源外交、経済外交と呼ばれるなど韓国企業の進出をサポートするとともに国際社会での韓国の存在感を高めた。OECD(経済協力開発機構)のDAC(開発援助委員会)加盟もその象徴だ。
経済は3番目に高い評価を得たが、36・0%とその比率は低い。世界金融危機の影響で08年第4四半期(10~12月)にマイナス5・1%にまで落ち込んだ成長率を昨年に0・2%のプラス成長に転換させた。これはIMF(国際通貨基金)の予想を上回る回復で、世界の主要国の中で最も迅速に経済危機を乗り越えたと評価されている。株価も1100台から1600台に回復、経常収支は過去最高の427億㌦を記録し、相次ぐ韓国経済危機説を一蹴した。
また、「低炭素グリーン成長」戦略を打ち出し、相次いで未来の成長エンジンの政策提示を行っていることも高く評価されている。
このような評価の一方で、深刻な雇用不安(失業者が過去最高の110万人を突破し、失業率が5%に上昇するなど)の問題が惹起された。また、貧富の格差問題も提起されている。
李政権に対する不満には、世宗市問題で激化する一方の政界の争いや、深刻化している校内暴力や家庭教育問題などに適切に対処できていない点もある。青瓦台関係者も、「政治改革、労使間や地域の葛藤解決などの問題については不十分だった」と自省。「国政に対する支持率は高まっているが、大統領に対する好感度は30%前後と苦しい」と語っている。
李大統領は、最近の閣議で「社会に不正が続く限り、先進一流国入りはできない」と強調。バンクーバー五輪での韓国選手の活躍に触れ、「韓国の若者たちが世界1位を目標に競争している。国政を担う閣僚も未来に向けしっかり準備するよう」促した。
執権3年目に入った李政権にとって当面優先すべき課題は何だろうか。韓国ギャラップ調査では、最優先すべき課題は経済回復(31・6%)で、次いで雇用創出(16・0%)、貧富の格差解消(13・0%)の順となっている。「最優先の国政課題」として、経済問題の解決を要求する声が依然として高いことを重視すべきだろう。