「生きている海、息づく海岸」をテーマにした麗水世界博覧会が、2010年5月12日の開幕まで2年を切った。昨年11月に全羅南道麗水市の博覧会場で起工式が行われ、準備も本格化している。博覧会場は麗水新港一帯174万平方㍍の広さ。組織委員会は参加国100カ国・地域、観覧客800万人を目標に誘致活動を展開、すでに日本など50カ国の参加が確定。麗水世界博は南海岸開発の起爆剤になると期待されている。
1日開幕した上海万博は会期6カ月の総合博だが、麗水世界博は海をテーマにした会期3カ月の専門博だ。総事業費2兆1000億ウォン。これとは別途に9兆5000億ウォンを投入して、道路、鉄道、港湾など博覧会場周辺のインフラを整備する。
政府は、麗水世界博を88ソウル五輪、2002ワールドカップと並ぶ経済、社会、文化などで韓国の水準をさらに引き上げる大きな契機になると位置づけている。
13の主要施設の展示館は、「未来グリーン成長」という国の政策基調にあわせ、閉幕後の活用を最優先に考慮し設立される。今月から段階的に着工準備に入るが、特に韓国館は「炭素排出ゼロ」のモデルとして、未来のグリーン建築物の標準を提示する計画だ。
今世界博の目玉となる超大型の複合海洋イベント空間「Big-O(オーシャン)」の工事は7月から始まる。新港前の会場に建設されるこの超大型の建物は、サッカー場の200倍(145万平方㍍)の大きさで、独特な外観デザインが話題を呼びそうだ。
今ひとつ注目されるのは、海洋生物館に建設される水槽規模6030㌧の国内最大アクアリウムだ。すでに3月に着工したが、ここで世界的に絶滅種にある貴重な生物を見ることができる。
現在、日本、サウジアラビア、ドイツ、トルコ、スペイン、タイなど50カ国の参加が確定しており、経済協力開発機構(OECD)、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)、東アジア海域環境管理パートナーシップ(PEMSEA)の3つの国際機関も参加を表明した。
海洋少年団など民間団体を中心に、100万人のボランティアが参加するネットワークづくりも進められている。博覧会場へのアクセスは、首都圏から3時間台、釜山2時間台、木浦1時間半台になる見通しだ。
問題は宿泊施設。期間中、800万人が泊まると仮定して、麗水の宿泊施設は最大で1万3000室が必要になると予想される。現在確保可能な施設は従来のコンドミニアム(128室)と市内に散らばる旅館くらいしかない。今後新たなコンドミニアムや各国首脳が泊まる高級ホテル(300室)などの建設をすすめる。組織委と麗水市は、麗水地域で民間資本により推進される20カ所余りの海洋観光リゾートとレジャータウン建設が完了すれば、ホテル1900室、コンドミニアム2800室の計4700室を確保できると見込んでいる。
政府は、博覧会閉幕後は海洋観光レジャー都市としての関連インフラが解決されるとみている。