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2010/05/28

<総合>南欧発のユーロ危機・株安に加えウォン急落

  • 南欧発のユーロ危機・株安に加えウォン急落

      危機管理対策会議で対策を協議する尹増鉉・企画財政部長官

 南欧発のユーロ危機に北朝鮮リスクが加わり、株安に加えウォンの対ドル相場が急落している。25日には一時1ドル=1277ウォンにまでウォン安が進み、金融当局は3度の介入(推定30億ドル)で何とかウォンを買い支えた。政府の外貨準備高は2800億㌦にのぼり、市場の衝撃は十分吸収できるとしてるが、急激な資本流出の統制など対策を急いでいる。韓国銀行関係者も、為替の下落幅が予想を上回っているとして、必要に応じて対策を講じると明らかにした。

 25日の金融市場は、対ドルのウォン相場と株価が同時に暴落し、パニック状態となった。総合株価指数(KOSPI)は前日比44・10ポイント下落の1560・83まで下がり、2月8日(1552・79)以降の最安値を記録した。今月に入り、外国人はこの日だけで5875億ウォンの株式を売りこし、今月に入って5兆ウォン以上を回収した。この株式を売った資金を外為市場でドルに換える中でウォン安が急激に進行した。

 同日の対ドルのウォン相場は1㌦=1250・00ウォンで前日より35・50ウォン下落した。昨年3月30日(43・50ウォン)以来の最安値だ。これで今月に入り141ウォン下落、ほぼ13%切り下がった。翌26日には株価は上昇に転じたが、ウォン安は止まらず、19日以降5取引日連続のウォン安となった。

 専門家らは、「スペイン中央銀行が最大貯蓄銀行であるカハスールの国有化を決め、ギリシャやポルトガルから始まった財政危機は、欧州連合(EU)4位の経済大国であるスペインへと拡大するという懸念が増大した」とし、「さらに哨戒艦沈没事件を巡り南北間の緊張が高まったのが、金融市場の混乱へと繋がった」と分析した。

 尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)・企画財政部長官は26日の危機管理対策会議で、「これまでにも地政学的なリスクは複数あったが短期間で安定させた」とし、「現在は財政健全性が良好で外貨準備高も十分である。韓国経済への影響は制限的で、近く安定するだろう」との見通しを示した。

 しかし、金融市場を安定させなければならず、政府と韓銀は、世界金融危機の際に導入、今年2月終了させた韓米通貨スワップを再び推進するなど、外国人資金の急激な離脱を防ぐための対策作りに取り掛かっている。任鍾竜(イム・ジョンヨン)・企画財政部第1次官は26日の政府経済金融合同対策班会議で、市場不安を解消するため外貨資金市場を点検し、必要があれば外貨流動性を十分に供給するとの方針を示した。幸いに、債券市場は外国人の買いが持続し安定しており、銀行の外貨調達環境も良好な水準だと説明した。

 問題は、韓国の金融市場が外部からの衝撃に弱く、他国以上に外国人の売り買いに振り回されている点だ。特に、外為市場を安定させる根本対策が急がれる。基本的には韓国経済のファンダメンタル(基礎的諸条件)を強めることが前提だが、「金融機関など健全な市場参加者を増やすことで取引規模を大きくし、海外資金の流入による変動を減らすことが重要だ」という指摘もなされている。