サッカーのワールドカップ（Ｗ杯）南アフリカ大会がきょう開幕する。アフリカ大陸初開催とあって、首都ヨハネスブルクなどで人々の興奮が頂点に達しているが、世界の有力企業によるスポーツマーケティングも熱気を増している。韓国企業は、ＦＩＦＡ（国際サッカー連盟）公式パートナーに指定されている現代自動車を筆頭に２００社以上が今回のＷ杯スポーツマーケティングに力を入れている。

　現代自動車は、本選出場32カ国選手とＶＩＰ用に南アの９都市にバスや乗用車８３０台の車両を提供している。公式パートナーとしての特権をフル活用するため、今回のＷ杯マーケティングに計上した予算は６０００億ウォン。今回は特に、アフリカ貧困青少年と児童らにサッカーボール１００万個をプレゼントするための「ドリームボール寄付プロジェクト」も推進している。

　ＦＩＦＡの公式パートナー６社とサプライヤー８社は、今回の大会期間中にスポーツマーケティング費用として１６０億㌦を計上している。ＦＩＦＡ指定以外の企業も含めると１０００億㌦に達すると推定されている。

　現代自は、２００２年の韓日共催大会時からＦＩＦＡ公式パートナーに指定され、Ｗ杯スポーツマーティングに力を入れている。韓日共催大会では２１３カ国・地域に試合が中継され、現代自の広告が１試合平均12分流され、７兆３０００億ウォンの広告効果を上げたとされている。投入金額の10倍以上の効果だ。ブランド認知度も、Ｗ杯後半年間で10％上昇したという。06年のドイツ大会でも認知度アップにつながり、欧州自動車市場でのシェアは同大会前の１％から昨年には２・４％にまで高まっている。

　一方、韓国内では、Ｗ杯特需を狙って、韓国代表を前面に押し出した商品が続々と登場している。特に、英プレミアリーグの「酸素タンク」こと朴智星の名を付けた商品は、酒類・ファッション・食品などさまざまだ。酒類を製造・販売する「ペルノ・リカール・コリア」は、朴選手がブレンディングに参加したウイスキー「インペリアル15朴智星リミテッド・エディション」を先月末に発売、朴選手の顔をラベルにプリントしている。

　柳韓キンバリーは、Ｗ杯記念地球儀を売り出しロッテ百貨店は、韓国が16強入りすれば、３Ｄテレビ購入金額の10％をキャッシュバックする。

　韓日共催時、ＳＫテレコムが韓国代表チームのサポーター「レッドデビル」と手を結び、赤いＴシャツがソウル市庁舎前広場を埋め尽くし、話題になったこともある。今回もＫＴとＳＫテレコムは「４強神話」実現へ向けてＷ杯マーケティング活用に熱を入れている。Ｗ杯関係者は、「スポーツに対する支援と愛情が企業に対する無限の信頼につながる場合が多く、グローバル企業はＷ杯には五輪以上に力を入れている」と説明する。