李明博大統領は15日、国賓として訪韓中のトルコのアブドラ・ギュル大統領と会談し、経済・エネルギー分野での協力強化で合意した。両国首脳は1957年の修好から両国関係が発展を続けてきたことを評価し、貿易や投資の増進、両国間のFTA(自由貿易協定)締結、建設・防衛産業分野などの協力拡大を再確認した。この後、両首脳が見守る中、崔炅煥(チェ・ギョンファン)・知識経済部長官とユルドゥズ・エネルギー天然資源相が原子力発事業協力の了解覚書(MOU)を締結した。これにより、トルコ北部黒海沿岸のシノプ地域に建設する原子力発電所2基の受注が事実上決まった。
首脳会談でギュル大統領は、「トルコは欧州で高い成長を遂げており、エネルギー需要が増えている」として、「シノプ原発に対する技術的・経済的協議をうまく進めていきたい」と述べた。これに対して、李大統領は「韓国の原発は世界で最も安全で、効率性が高い発電所であることを自信を持って言える」と述べ、トルコが原発に関心を持つのは正しい選択だと強調した。
トルコはシノプ地区で4基の原発建設を計画しており、この原発建設協力のため韓国電力とトルコ発電公社が3月に共同研究調査に関する共同宣言に署名。共同研究を8月に終える予定になっている。今回の政府間のMOUは、事業者間の協力を政府が支援することを確認したものだ。
MOUには、原発建設のため計画立案、教育・訓練、人材開発支援などが盛られており、これに沿って今後政府間交渉が進められる。
今回のトルコの原発事業は、国際入札でなく、随意契約方式で進められており、いまのところ韓国以外の競合国はいない。そのため、今回のMOU締結で事実上韓国の受注は決まった格好だ。金恩慧(キム・ウンヘ)・青瓦台報道官は、「両国政府が協力の意向を公式に発表したことで、民間レベルで進められてきた原発協力に大きな弾みがついた」と説明した。来年末頃に受注が最終確定する見通しだ。
トルコに建設する原発は、UAE(アラブ首長国連邦)から受注したのと同じ「APR1400」型で、2基で100億㌦規模になる見込みだ。追加で残り2基の受注も決まれば契約規模は200億㌦になる。
問題は資金調達で、UAEの場合、発注者がすべての資金を負担するターンキー(一括受注)方式だった。しかし、資金不足のトルコ政府は韓国の出資を希望している。
一方、大韓商工会議所は同日、ソウル市内のホテルでトルコの経済閣僚や経済人らを招き「第12回韓国・トルコ経済協力合同会議」を開催。
孫京植(ソン・ギョンシク)会長は、韓国のトルコ原発受注の可能性に言及し、「実現すれば、UAEと同様に韓国関連産業がトルコに進出することになり、両国経済協力は新たな段階に入る」と述べた。