韓国が官民一体になってグリーン産業育成に乗り出した。大統領直属機関のグリーン成長委員会の第8回報告大会が13日開かれ、知識経済部は30大企業グループが2013年までに、グリーン産業分野に総額22兆4000億ウォン投資する見込みであると報告した。この投資額は、過去3年間(08~10年)に比べ48・2%多い。政府はすでに昨年、09年から13年までにGDP(国内総生産)の2%に当たる107兆ウォンを投資するとした計画を発表したが、今回さらに金融面での支援強化も明らかにした。2年前にグリーン成長戦略を打ち出した李明博大統領は、「グリーン技術と関連するすべての素材を開発し、グリーン成長時代に100%独自技術で世界市場に打って出よう」と強調した。
グリーン成長は、韓国経済が進めるべき路線になっているが、激しいグローバル競争の中でどう効果的に推進するかが問われている。特に核心部品の輸入依存体質からの脱皮も急がれる。例えば、太陽光発電の核心部品であるモジュールの74%、LED(発光ダイオード)の70%の核心部品のLEDチップの70%を輸入に依存している。
李大統領がこの日の報告大会で「スローガンだけを派手に掲げ、実際の投資と開発はほかの国が取り組むのではないか心配だ」として、「グリーン成長時代には韓国が基幹技術を開発し、韓国の技術と素材で製品を作り出す時代を切り開かねばならない」と重ねて強調したのも、産業界の輸入依存体質を踏まえての発言だった。
今報告大会は、官民の大規模な投資額を発表し、グリーン産業育成への強いメッセージを発する場となった。
まず、企画財政部は、107兆ウォンの投資額を蹉跌なく推進すると共に金融面の支援を強化すると発表した。グリーンR&D(研究開発)予算を08年の1兆4000億ウォンから13年には3兆5000億ウォンに増やし、グリーン原材料に対する関税率を引き下げる。また、グリーン技術に対しては最大30%の税額控除対象に含める。また、政府がグリーン企業の製品を購買するため、公共グリーン市場規模を09年の3兆ウォンから13年には6兆ウォンに拡大する方針だ。
知識経済部は、20年までに官民で15兆ウォンを投入して2次電池産業を世界1位に育成し、19年までに2兆3000億ウォンを投入して温室ガスを削減する二酸化炭素処理技術(CCS)を開発すると報告した。
30大企業グループが投資する22兆4000億ウォンのうち、再生可能エネルギーなどのクリーンエネルギーに8兆9000億ウォン、グリーンカーに5兆3000億ウォン、次世代電力装置分野に4兆3000億ウォンが投じられる。このうち、グリーンカー分野への投資は、過去3年間に比べ倍以上増える見通しだ。
中小企業庁は、13年までに環境に優しいグリーン中小企業を1000社育成すると発表。開発技術事業化融資資金を今年の1580億ウォンから来年には2580億ウォンに増やすと報告した。
李大統領はこの中小企業育成について、「産業化、情報化の過程で、大企業が経済をけん引してきたのは事実だが、グリーン成長時代には中小・中堅企業から経済の中心となる企業が多く生まれるよう期待する。そうなってこそ、韓国経済は堅実に成長を続けられるだろう」と強調した。
民間側からは、①グリーン産業の専門家の育成②グリーン産業に特化した金融システム導入③グリーン技術研究への支援④積極的な海外市場開拓などでの支援策を求める声があった。