韓国全土が2020年までにKTX(韓国高速鉄道)で結ばれ、現在の道路中心の交通網から鉄道主体のグリーン交通網に転換する見通しだ。政府は1日、国家競争力強化委員会、グリーン成長委員会、未来企画委員会、地域発展委員会の4委員会を開き、「未来KTX高速鉄道網構築戦略」を確定・発表した。計画通り行けば、全国の主要拠点都市がKTXでつながり、全国土の95%が2時間台で移動できる「生活圏」が実現する。ソウル~釜山間は現在の2時間46分から1時間43分へとほぼ1時間短縮される。また、12年には仁川国際空港へのKTX乗り入れも可能となる。
今回の計画は、04年から運行しているKTXで全国を結び、短時間で移動を可能にすることで、①首都圏の人口集中緩和②企業の工場などの立地選択肢を拡大し、地方の発展誘導③鉄道中心の輸送体系に転換し、低炭素グリーン成長の基盤構築④高速鉄道の先端技術開発と運営ノウハウの蓄積で世界市場への進出強化――などの多様な効果を期している。投資資金は100兆ウォン。
計画によると、まず京釜(キョンブ)高速鉄道第2段階事業として推進中の大邱(テグ)~釜山(プサン)区間(128・6㌔)が11月に開通する。また、大田(テジョン)と大邱都心区間も14年に完工予定だ。首都圏路線の江南(カンナム)~水西(スソ)~平沢(ピョンテク)区間も14年に完成する。このような高速線路の完成により、ソウル~釜山間は一挙に1時間43分に短縮される。また、仁川(インチョン)空港鉄道を利用し、12年には仁川国際空港までKTXを利用できるようにする予定だ。
一方、湖南(ホナム)高速鉄道は五松(オソン)~光州(クァンジュ)区間(182㌔)が14年、光州~木浦(モクポ)区間(49㌔)は17年に完工する。これにより、ソウル~光州区間は現在の2時間52分から1時間11分に短縮される。
浦項(ポハン)、馬山(マサン)、全州(チョンジュ)、順天(スンチョン)、麗水(ヨス)など現在KTXが運行していない地域は、京釜・湖南高速鉄道と連係して運行を可能にする。これにより例えば、12年に麗水万博が開かれる麗水に鉄道で行くには、現在の5時間15分から2時間5分に大幅短縮される。
京春(キョンチュン)、全羅(チョンラ)、中央(チュンアン)、長項(チャンハン)、東海(トンヘ)、慶全(キョンジョン)線など現在建設または運行中の一般鉄道路線は、直線化などで段階的に最高時速を230㌔まで高める。東西軸の原州(ウォンジュ)~江陵(カンルン)路線(111㌔)と内陸軸の原州~新慶州(シンキョンジュ)路線(212㌔)も、時速250㌔まで高速化される。
政府は、今回の高速鉄道網が完成すれば、高速鉄道で1時間半台で移動できる地域が人口ベースで84%に、国土ベースで82%に拡大し、全国土の95%が2時間台の生活圏に入ると説明した。また、政府は、この高速鉄道網の拡充で、最終年度の20年に経済効果91兆ウォン、雇用創出230万人、二酸化炭素発生減少量1164万㌧などの効果を見込んでいる。
一方、最高時速430㌔の次世代高速鉄道を12年までに開発する計画も進められている。