来月11、12日の2日間ソウルで開かれるG20(主要20カ国・地域)首脳会議まで1カ月を切った。金融危機で低迷していた世界経済が回復軌道に乗ったことを受け、今後の進むべき道を模索する場となるが、主要国で通貨の切り下げ競争が起こった為替問題も取り上げられる見通しだ。議長国・韓国としては、「グローバル金融安全網の構築」や「南北格差解消のための開発」で成果をめざす。
国立中央博物館で幕開け
◆スケジュール オバマ・米大統領、菅直人・日本首相、胡錦濤・中国国家主席、サルコジ・仏大統領らG20メンバー首脳とベトナム、スペインなど招待国首脳らが訪韓。11日午後6時からソウル竜山の国立中央博物館で各国代表団が参加する歓迎レセプションを開催。
本会議は翌12日午前9時からソウル三成(サムソン)洞のCOEX(韓国総合展示場)で開催。持続可能な成長に向けた各テーマごとに協議し、議長の李大統領が記者会見でコミュニケを発表し、同5時に閉幕する。午後6時からビジネスサミット参加者らも加わって晩餐会を開く。
為替問題の調整迫られる
◆議題 まず持続可能な均衡成長に向けた枠組みの詳細が協議される。単なる危機対応にとどまらず、世界経済の中長期的な成長基盤を構築するための政策協力が大きな課題だ。特に経常収支の赤字・黒字国間の対立に伴う為替問題が重要テーマに急浮上。関係各国の調整を図る難題を図る難題を突きつけられた。
金融規制問題は、銀行の資本構造の適正性、問題をひき起こした大手金融機関に対する監督強化案、金融危機の責任を問うための公的資金の金融圏分担案がより具体的に協議される。国際金融機関の改編については、世界経済の勢力図を反映するため、IMF(国際通貨基金)の出資比率改革などに決着をつける。
グローバル金融セーフティーネットの構築は韓国が積極的に推進する議題で、国際的な金融危機の際に小規模開放経済である新興国へのダメージ緩和をめざす。また、開発途上国の支援も韓国が取り上げる重要議題だ。これらの成果を盛った「ソウル・イニシアチブ」発表する計画だ。
途上国の自立経済化を
◆韓国の役割 李大統領は11日、青瓦台(大統領府)にG20首脳会議を全世界に向け発信する外信記者を招き、韓国の役割などを次のように説明した。
各国の利害関係や事情のため調整は容易ではないが、世界経済を持続的かつバランスの取れた形で発展させるうえで、今回の首脳会議が重要な契機になる。
議長国の役割として、アフリカや開発途上国の話に耳を傾けることが重要であり、途上国が自立し経済成長を遂げるための実質的なプログラムを準備している。各国が保護貿易主義に走れば、世界経済は悪化する。バランスの取れた持続的な経済成長に向け力を合わせねばならず、それを今回の会議で具体化する必要がある。
世界のCEO集結
◆ビジネスサミット 11月10日から2日間、ソウルのシェラトンホテルで世界のグローバル企業94社のCEO(最高経営責任者)ら112人が訪韓。韓国のトップ経営者とともに、「持続可能な均衡成長のための企業の役割」をメインテーマに貿易拡大など12の議題に沿って協議する。
08年11月にワシントンで開かれた第1回G20首脳会議後、民間企業のCEOが直接参加して企業の立場を伝えるのは今回が初となる。
◆経済効果31兆ウォン期待 韓国貿易協会国際貿易研究院によると、G20首脳会議に期待される経済効果は31兆2747億ウォンにのぼる。