知識経済部は、11月30日ソウル市内で開かれた「第47回貿易の日」記念式で、2015年までに貿易規模を世界7位に引き上げることを目標にした「G20(主要20カ国・地域)時代の貿易政策」を報告した。来年は輸出5130億㌦、輸入4880億㌦を見込み、貿易1兆㌦時代が開幕すると予想している。世界で「貿易立国・韓国」の存在感がさらに増しそうだ。
李明博大統領はこの日の記念式で来年の貿易規模1兆㌦について、「これは経済大国の明確な証であり、昨年は米国など世界5カ国しか達成していない。熱砂の砂漠から凍土のシベリアまで全世界を駆け巡った企業関係者、労働者がいたからこそ可能となった」と強調した。
天然資源に乏しい加工貿易型の韓国にとって、輸出が増えなければ貿易の拡大はありえなかった。1960年代に官民一丸となった輸出ドライブ政策が強力に進められ、64年に初めて1億㌦を突破。77年に100億㌦、95年に1000億㌦を超える急速な拡大を続け、世界金融不況の昨年こそ落ち込んだものの、今年は過去最高の4660億㌦(昨年比27・8%増)に達する見込みだ。
輸出の世界ランクは60年の88位から昨年には9位に上昇。今年はイタリア、ベルギーを抜き、中国、米国、ドイツ、日本、オランダ、フランスに続く7位にランクアップする見通しだ。輸入は前年比31・2%増の4240億㌦に達する。
貿易収支も98年以降は、世界金融危機に襲われた08年を除いて黒字を記録しており、今年の黒字規模は410億㌦を超える見通しだ。
韓国貿易協会は、今年の輸出好調について、世界金融危機や南欧の財政危機などの困難な環境の中でも韓国が善戦して得た成果だと評価。特に、先進国市場に最終消費財として輸出される自動車や家電製品、IT(情報技術)機器を生産する新興国向けに韓国の半導体、液晶、自動車・電子部品など中間財が多く輸出されたことが大きいと分析した。
来年については、世界経済の回復鈍化や為替不安などの要因はあるが、主力商品の競争力向上、新興市場の成長持続などで貿易額は知識経済部同様に1兆㌦(輸出5160億㌦、輸入4850億㌦)を超えると予想している。
知識経済部は、貿易1兆㌦時代を控え、①新興市場への進出拡大②中小・中堅企業の国際競争力強化③貿易インフラの構築という3分野の政策対応が必要だと指摘。主要新興市場7市場(中南米、中東、アフリカ、中央アジア、中国、インド、東南アジア)との貿易規模を昨年の3660億㌦から7000億㌦へと倍増させるため、国際展開する中小・中堅企業500社を育成する方針だ。
一方、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)は、来年の輸出が5200億㌦に達すると予想。政府主導のインフラ投資が増加する中国や東南アジアなどアジア市場の重要性が一層高まると予想した。品目別では、自動車および自動車部品、IT部品・素材が輸出主力商品としての座をさらに固めるとの見方を示した。地域別では、中国、東南アジア、南米、中東などへの輸出が増加する半面、日本や欧州など先進国への輸出は大幅に鈍化すると予想した。