現代製鉄が急ピッチで生産能力を拡大しており、12日には年産400万トンの第3高炉を着工した。同高炉が完成する2013年には粗鋼年産能力が電気炉を含め2400万トンに達し、世界10位圏に入る鉄鋼メーカーとなる。国内では世界3位(昨年生産量3370万㌧)のポスコの強力なライバルに浮上している。
第3高炉は、忠清(チュンチョン)南道の唐津(タンジン)一貫製鉄所で起工式が行われ、朴承夏(パク・スンハ)副会長ら現代製鉄の役職員ら400人が参加した。3兆2550億ウォンを投じ、13年9月完工を目標にしている。
現代製鉄は、04年に韓宝鉄鋼を買収し、本格的に高炉事業に参入した。昨年4月に第1高炉が稼働したのに続き、同年11月には第2高炉も完成、年間の粗鋼生産能力は800万㌧に拡大した。第3高炉が完成すれば、年産能力は1200万㌧に高まり、既存の電気炉(唐津、仁川/インチョン、浦項/ポハン工場で稼働中)を含めれば2400万㌧になる。
第2高炉の完工からわずか5カ月で、第3高炉着工となった。この早期着工は、第1、2高炉の操業が早期に安定化するなど一貫製鉄事業に強い自信を持ったからで、現代・起亜自動車グループの海外工場新設・増設など需要が急増していることも背景にある。
現代製鉄関係者は「1年に2つの高炉を稼働させただけでなく、第2高炉は最初の四半期で黒字を出した。これは世界鉄鋼業界でも例のないことだ」と語った。
第3高炉建設による経済効果も大きい。現代製鉄の説明によると、①建設期間中の生産誘発効果は7兆3840億ウォン②完工後の運営に伴う生産誘発効果は毎年8兆2790億ウォン③雇用創出効果は7万人が見込まれる。
また、第3高炉の完成で、年間120億㌦相当の鉄鋼材輸入代替効果が発生すると試算している。
現代製鉄は今年、自動車用鋼板や造船用厚板など高級鉄鋼製品の開発と量産体制も早期に構築する方針だ。自動車用鋼板12種類に対する開発は8月までに終え、本格的に製品を生産する。同社は昨年、第1、2号機の稼働で売上高が前年より2兆ウォン増の10兆1900億ウォンに達した。
また、高級鋼の対日輸入代替効果もあると見ている。昨年の鉄鋼貿易収支は39億㌦の黒字だったが、対日に限っては60億㌦の赤字を計上している。この対日鉄鋼貿易赤字の改善にも貢献すると期待している。