国土海洋部は、韓国の主要都市をKTX(韓国高速鉄道)網で連結して1時間30分台の生活圏にするとした「第2次国家鉄道網構築計画」(2011―20年)を確定した。総事業費88兆ウォンの巨費を投じてKTX路線拡充、一般鉄道の高速化と複線化・電化比率拡大などの事業を展開する。昨年9月の高速鉄道網構築戦略を具体化したものだ。この10カ年計画が完了すれば、1日の鉄道利用客が60万人、貨物量は6000万㌧に達し、国家交通体系を鉄道中心に転換する基盤が構築されるとみている。また、交通渋滞を解消し、CO2(二酸化炭素)削減にも貢献すると期待している。
計画によると、京釜、湖南、首都圏の高速鉄道をX字型に、西海線・東海線・京春線・慶全線・春川(チュンチョン)~束草(ソクチョ)線を□字型に結ぶ鉄道網を構築し、国内人口の83%が全国主要都市に1時間30分内でアクセスできるようにする。
このため、現在、時速230㌔㍍以上で走行できる高速鉄道区間はKTX京釜線の368・5㌔㍍区間にとどまっているが、20年までに2362・4㌔㍍へと約6・4倍に拡充する。KTX京釜線の大田(テジョン)・大邱(テグ)~都心圏区間とKTX湖南線の五松(オソン)~光州(クァンジュ)区間を14年まで、光州~木浦(モクポ)区間は17年完成を予定している。
また、高速鉄道を含む鉄道総延長は、3557㌔㍍から4934㌔㍍に拡大する。まだ遅れている複線化は現在の49・6%から79・1%に、電化も60・4%から85%にそれぞれ引き上げる計画だ。
首都圏高速鉄道など現在進められている事業は予定通り完了し、さらに一般鉄道のスピードを時速230㌔まで上げられるように改良し、これをKTXの京釜線と湖南線に連結する。このほかに、2階座席型の車両を京春線から導入して、鉄道料金を下げる方針だ。
特に、30分台でソウルへのアクセスが可能なように首都圏広域鉄道を新設。運行間隔が長い既存の首都圏路線は、車両数を現在の8両編成から4~6両編成に減らす代わりに、速度を150~180㌔に高速化する。これらの対策で大都市の渋滞解消につなげたい考えだ。物流拠点の港湾・産業団地と内陸の貨物基地を幹線鉄道網と連結するなど、大量輸送鉄道物流のネットワークも構築する計画だ。
このような国家鉄道網が完成すれば、①ソウル~釜山1時間43分②ソウル~大邱1時間10分③ソウル~光州1時間11分④ソウル~慶州(キョンジュ)1時間22分⑤ソウル~晋州(チンジュ)1時間41分⑥ソウル~江陵(カンルン)58分⑦ソウル~光陽(クァンヤン)2時間⑧大田~浦項(ポハン)1時間2分⑨釜山~光州1時間40分⑩釜山~江陵2時間16分など全国の大半の地域の移動時間が1時間から3時間以上短縮される。
目標年度の20年には、全旅客輸送に占める鉄道の比率は08年の15・9%から27・3%に、貨物輸送は8・0%から18・5%に上昇すると見込まれる。
また、年間774万㌧のCO2削減効果、198万人の雇用創出、233兆ウォンの生産誘発効果を期待している。
問題は、年間8兆8000億ウォンに達する財源の調達だ。民間資本の参加も見込んでいるが、そう簡単ではない。「より具体的な財源計画がなければ絵に描いた餅になる」と厳しい見方もある。今後の進展を見守る必要がありそうだ。