ここから本文です

2011/12/16

<総合>政府、韓銀同率予測・来年成長率、3・7%に低下

  • 政府、韓銀同率予測・来年成長率、3・7%に低下

 来年も経済成長率が4%を割り込む見通しとなった。政府は12日、経済成長率を3・7%とした2012年経済政策方針を発表した。先に発表した韓国銀行の成長率予測も政府と同じ3・7%。国策研究機関のKDI(韓国開発研究院)は3・8%と予測したが、民間のサムスン経済研究所は3・6%と低めだ。欧州を震源とした世界的な財政危機が韓国経済に本格的に衝撃をもたらす可能性があり、来年の韓国経済は厳しさが増しそうだ。

 政府は、李明博大統領主宰で非常経済対策会議を開き、来年の経済政策方針を確定した。朴宰完(パク・チェワン)・企画財政部長官は、「ユーロ圏の不確実性が大きくなれば3・7%成長も達成できないかもしれない」と述べ、危機感を示した。

 今回、成長率予測で昨年のような「5%前後」と表現せず、3・7%とコンマ以下まで数値を具体化した。また、従来、民間の研究機関と比べ楽観的見通しが多かったが、今回は違った。これは、現状況を冷静に反映し、国民にも来年は厳しくなるとのメッセージを伝える狙いがある。

 来年の最大の問題は景気後退だ。欧州の財政危機の余波で、輸出増加率が今年の19・2%から7・4%に、輸入増加率も23・2%から8・4%へと輸出入とも1ケタに下がると予想。朴長官は特に、「来年上半期(1~6月)の成長率が1~2%に急落すれば補正予算も避けられない」と語った。

 景気鈍化と輸出萎縮は雇用にも大きな影響を及ぼし、就業者数は、今年40万人増から来年には28万人増にとどまる。また、経常収支の黒字は今年の250億㌦から160億㌦に減少する。いずれも今年より厳しくなるとの予想だ。消費者物価に関しては、景気後退の影響もあり、上昇率が今年の4%から3・2%に低下する見通しだ。

 政府は、このような経済見通しのもと、経済活力向上と庶民生活安定に重点を置いている。特に、雇用創出に力を入れ、 若者の雇用創出のため、公共機関の新規採用を1万4000人に拡大し、インターンシップ(就業体験)も大幅に増やす計画だ。李大統領は「共生の立場から、企業は利益が減っても雇用を増やしてほしい」と強調した。

 また、財政の6割前後を上半期(1~6月期)に早期執行するとともに、輸出の代わりに経済をけん引する内需を活性化するため、経済自由区域の投資活性化策も講じる。

 景気鈍化で厳しさの増す庶民生活のために、行政サービスの手数料を引き下げ、レストランではサービス料などを価格に含めて表示させるなど物価安定を図る。

 政府と同じ3・7%成長を予測した韓銀は、来年の民間消費増加率は、個人の所得環境の改善で今年の2・5%から3・2%に上昇し、設備投資増加率は世界経済の不確実性の高まりを受け4・5%から4・2%に縮小すると予測。また、消費者物価上昇率3・3%、失業率3・4%、経常収支黒字130億㌦と予測した。李上雨(イ・サンウ)・韓銀調査局長は、「輸出の増加ペースが鈍化し、来年の成長率は大きく落ち込む」と説明した。