経済成長率が2期連続3%台にとどまり、今年の成長目標4・5%達成は事実上不可能になった。来年も厳しさが予想され、政府は来年度成長目標を下方修正する作業に着手した。政府は今年9月、中期財政運用計画を発表し、来年の成長率見通しを4・5%としたが、12月に発表する予定の来年の経済見通しでは予測値を下方修正すると見られる。さらに、景気鈍化の中で物価が上昇するスタグフレーションを心配する声が高まっており、その対処も迫られている。
企画財政部関係者は、「世界経済の不透明性を考慮し、主要経済研究機関の意見を聞いて、予測や分析を綿密に行う考えだ」とし、「情勢が急変しているだけに、来年の状況を速断するのは困難だ」としているが、現在の状況から見て、下方修正は避けられない。
今年の韓国経済は、第1四半期(1~3月)から第3四半期(7~9月)までで3・6%の成長にとどまっており、年間で4%達成も難しい状況だ。欧州諸国の財政危機の長期化が確実視され、輸出に影響が出るのは必至と見られる上、物価不安で内需の拡大も期待し難いため、4%以上の成長は容易でないからだ。
韓国銀行によると、第3四半期の経済成長率は3・4%にとどまった。世界経済危機後の09年第3四半期に1・0%を記録して以来、1年9カ月ぶりの最低水準だ。韓銀は第3四半期の低成長について「集中豪雨の影響によって農林漁業や観光などが委縮したのに加え、欧州発金融危機が深刻化したため」と説明。
特に設備投資が、前期比マイナス0・4%を記録した点が気になる。金仲秀(キム・チュンス)・韓銀総裁は「8月に米国の信用度が下がって以降、資本市場が不安定になった。不確実性が高まり、わが国経済の核心となる設備投資が大幅に減少した」と懸念を表明した。
民間消費増加率も0・6%の低水準だ。消費者物価の4%台上昇が続いている上、伝貰(不動産を借りる際、不動産所有主に預ける保証金)上昇の余波で、消費が委縮したためだ。
このような対内条件の悪化で、国内企業は設備投資時期を遅らせ、家計の民間消費も後退している。内外の不確実性が高まり、韓国経済が本格的な低成長局面に入る懸念すらある。
現代経済研究院は「3%台後半の成長に終わる可能性が高まった。強力な景気浮揚策や、海外の環境が急速に改善する余地は大きくない」と分析。サムスン経済研究所は「輸出と内需が弱くなれば、政府は浮揚策を使うしかないが、現状では容易でない」と見ている。だが、韓銀は景気が下降局面に入ったと決定づけるのは行き過ぎと判断。第4四半期には多少は回復すると見通している。
問題は来年だ。すでにサムスン経済研究所などは来年の成長率予測値を3・6%に下げており、韓銀も当初の見通し(4・6%)を下方調整する方針だ。欧州発財政危機と米国経済の低迷により、主要輸出国の輸入需要が減る可能性が大きいため、輸出の伸びが期待できないからだ。
韓銀は「対外条件の悪化で、来年の経常収支黒字規模が当初見通しの170億㌦より小さくなることもある。今年に入って貿易収支中心に黒字基調を持続しているが、輸出増加傾向は鈍化するだろう」と見通した。