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2011/05/27

<総合>第1四半期・景気回復で税収が9.2%増

  • 第1四半期・景気回復で税収が9.2%増

 景気回復を受け、韓国では今年の税収が前年に比べ最大で20兆ウォンほど増える見通しだ。企画財政部と国税庁によると、すでに第1四半期(1―3月)の国税収入は47兆6155億ウォンに達し、前年同期比9・2%(4兆29億ウォン)増えた。これは、予算編成時に予想した年間国税収入増加率5・5%をはるかに上回るものだ。早くも余剰税収の使い道をめぐって論議も起こっている。

 税目別にみると、付加価値税収の増加(金額基準)が最も大きかった。第1四半期の付加価値税収は13兆4620億ウォンで、前年同期より16・5%増加した。付加価値税収の大幅増加は、好景気による消費増加のためだが、物価上昇が大きく影響した。国際原材料価格の上昇分が輸入物価に反映され、付加価値税が増加。今年に入って、輸入物価は14~19%上昇し、08年以降で最も高い上昇率をみせている。

 法人税収も大幅増加した。第1四半期の法人税収は12兆4477億ウォンで、前年同期比15・6%増。昨年の好景気により、12月決算法人の実績が改善したためだ。

 所得税収は前年同期比22・6%増の9兆6801億ウォンで、増加率が最も大きい。相続贈与税は7061億ウォンで、同7・2%増加した。ただし、交通税、酒税などは計2兆ウォンの減収だ。

 第1四半期の税収増加により、今年の国税収入は政府予想値を超えるとの楽観論も出ている。昨年の年間総税収(国税収入基準)も、当初予想値(170兆5000億ウォン)より7兆2000億ウォン多かった。

 与党ハンナラ党の内部では、増収分の使い道をめぐり論争が起きている。今年の税収剰余金が10兆~20兆ウォンへ増えるという説も出ており、ハンナラ党の新主流派は「大学授業料を半額に引き下げるなど、所得格差の緩和に資金を追加投入すべきだ」と訴えている。

 黄祐呂(ファン・ウヨ)院内代表も「税収剰余金などを学生の授業料、育児費、低所得者の住宅支援に充てたい」との考えを述べたことがある。

 国家財政法によると、政府税収から必要な支出を差し引いた税収剰余金は、地方の財政、教育、支出補助に優先的に充てられることになっている。それを除く残額は、公的資金償還基金への組み入れや国債、借入金の償還にそれぞれ30%以上を充てることが義務付けられている。

 問題は、それでもまだ多額の剰余金が残ることだ。昨年は税収剰余金7兆2000億ウォンのうち、最終的に使途が制限されない剰余金は2兆1000億ウォンだった。今年の税収剰余金が10兆ウォンだった場合は3兆ウォン以上、20兆ウォンだった場合、7兆ウォン近い資金が活用可能となる。政府は、国家債務の削減に集中すべきだとの立場だ。政府関係者は「金融危機を克服するために増やした借金の償還に充てるべきで、その資金を授業料半額化のようなばらまき型の福祉政策に使ってはならない」と主張している。

 企画財政部関係者は、「第1四半期の税収実績だけで判断するのは、まだ早い。第2四半期(4~6月)の税収実績が出てこそ、年間予想値の達成可否を判断できる」と述べた。租税研究院は、「物価上昇は、短期的に税収増加のプラス要因となるが、インフレの持続は民間の消費委縮をもたらし、税収のマイナス要因になり得る」と指摘した。