基礎科学育成のための大規模国策事業である国際科学ビジネスベルト(科学ベルト)が、忠清南道・大田(テジョン)市の大徳(テドク)研究団地を中心に構築されることが決まった。総事業費5兆2000億ウォン。2017年までの7年計画で進められる。李周浩(イ・ジュホ)・教育科学技術部長官は16日、科学ベルト事業計画を発表、「国内基礎研究の力量を世界レベルに引き上げ、R&D(研究開発)体質を先進国追撃型から先導型に変える画期的な転機となるだろう」と強調した。
李長官の発表によると、科学ベルト委員会は科学ベルトの核となる拠点地区として、大徳研究開発特区(大徳研究団地)内の新洞(シンドン)・屯谷(トゥンゴク)地区を選定した。新洞・屯谷地区は100点満点中、最も高い75・01点の評価を受け、2位の大邱(テグ)テクノポリス地区(64・99点)を10点以上引き離した。続いて光州(クァンジュ、先端3地区)64・58点、浦項(ポハン、融合技術地区) 62・75点、釜山(プサン、東南圏原子力産業団地地区・長安(チャンアン)宅地地区)62・4点の順。
拠点地区の大徳研究団地には、科学ベルトの核心施設である基礎科学研究院本院と大型実験施設の重イオン加速器が設置される。重イオン加速器は、16万平方㍍の敷地の地下に建設する韓国最大の機械装置になる。この装置で多様なアイソトープ(希少重イオン)を加速させ、物質の最小単位である元素の起源を探る。重イオン加速器は今年11月までに予備詳細設計を終え、詳細設計を進める。16年に完工予定で、6年間で4600億ウォンを投入する。
また、拠点地区の基礎研究成果を応用・商業化する支援施設(産業、金融、教育など)が入る機能地区として、大徳団地に隣接する五松(オソン)・梧倉(オチャン)産業団地(清原郡/チョンウォン)、燕岐(ヨンギ、世宗/セジョン市)、天安(チョナン)が指定された。
科学ベルト委員会は、今年末までに①基礎科学研究院の設立・運営②重イオン加速器の構築③ビジネス環境、国際的な生活環境の整備などに関する細部事項を定めた「科学ベルト基本計画」をまとめる予定だ。
拠点地区は、科学ベルトの核心機能を担う。教育科学技術部の直轄機関となる基礎科学研究院が、基礎科学及び重イオン加速器関連の研究を担当する。国内外の科学者30人からなる科学諮問委員会が諮問を担当する。
基礎科学研究院は50の研究団(研究員約3000人)で構成され、年間予算は6500億ウォンに達する見込み。基礎科学研究院本院には、15前後の研究団が入る。そのほか、全国の主要理工系大学と研究所に35前後の研究団(KAIST・大徳研究団地10、大邱・蔚山/ウルサン・浦項10、光州5、その他地域10など)を分散配置。約130億ウォンの年間事業費を充てる。
科学ベルトが成功するには予算確保とともに、研究テーマの選定、優秀な研究員の誘致が不可欠で、立地選定過程で物議を呼んだ経緯があるだけに、今後作成される科学ベルト基本計画の内容が大事だ。
今回の科学ベルト事業は、基礎科学研究の振興に眼目があり、重イオン加速器がもたらす応用科学技術の波及効果も小さくない。大徳研究団地は1970年代に造成され、韓国の科学技術研究の拠点の役割を果たしており、今回の拠点地区選定でその役割はさらに大きくなりそうだ。