政府は8日、青瓦台(大統領府)で第11回グリーン成長委員会を開き、2020年までにエネルギー節約型のグリーンホームを200万戸建設するための対策を協議、モデル団地建設などを決めた。また、25年までに住宅やビルでの第1次エネルギーの消費をゼロにする「エネルギーゼロ」の目標達成のため、建築物のエネルギー節約を義務化し、その節約比率を段階的に高めていく計画だ。
この日の会議は、李明博大統領主宰で、グリーン成長委員会、国土海洋部、国家建築政策委員会との共同で開かれた。会議では、グリーン建築物活性化推進戦略とグリーンモデル団地造成計画を中心に協議し、グリーンホーム200万戸建設に向け、ソウル市江南(カンナム)区細谷(セゴク)の住宅地区と京畿道龍仁(キョンギドヨンイン)の興徳(フンドク)地区に韓国型グリーンホームモデル団地を建設することを決めた。興徳地区(52戸)には一戸建て住宅モデル団地建設に参加する企業を公募中だ。細谷地区1ブロック(200戸)では共同住宅モデル団地を造成し、年内に着工する計画だ。
また、来年からはエネルギー評価士制度を導入し、エネルギー建築専門家の養成に力を入れる。さらに、エネルギー消費証明制度を導入し、不動産取引時に建築物のエネルギー消費情報を証明書として発給する方針だ。
政府は特に、今後は建築物の認許可から維持管理、リモデリングに至る全過程でグリーン建築物が建てられるように総合的かつ体系的に管理していく方針だ。
まず許認可段階で、25年までにゼロエネルギー目標を達成するため、来年から共同住宅のエネルギーの義務節減率を段階的に引き上げる。これを通じて毎年、20万~25万戸のエネルギー効率の高い建築物を建て、200万戸のグリーンホームを普及させる計画だ。
ゼロエネルギーとは、ビルや住宅などの建築物における石炭や石油、天然ガスなどの一次エネルギー消費をゼロにすることで、先進諸国で積極的に採用されている。建築物・設備の省エネ性能の向上、太陽光や風力など再生可能エネルギーの活用などで実現する。例えば、冷・暖房、給湯、照明、家電、調理などの消費エネルギーをすべて、再生エネルギーで賄えば消費エネルギーをゼロにできる。
既存建築物のグリーンリモデリングを拡大するためには、建築物の用途別にグリーンモデリングのガイドラインを提示し、16年までに老朽化した公共賃貸住宅28万戸、20年までに老朽化した建築物20万戸をリモデリングする計画だ。
今年下半期(7~12月)からは新築建築物に限り施行しているエコ認証などグリーン認証制度を既存建築物にも適用する。また、エネルギー効率等級認証を義務的に受けなければならない建築物を段階的に拡大し、20年にはすべての建築物に対して義務化する。また、7月1日からは1万平方㍍以上の大型建築物にエネルギー使用量を制限する「エネルギー消費総量制」を実施し、20年には適用対象をすべての建築物に拡大する。このほかに、エコ建築物認証、住宅性能等級など重複した既存建築分野の認証制度をグリーン建築認証制度に統合し、「The Green」というブランド名とする考えだ。また、グリーン建築物の普及拡大のための支援及び管理に関する法律制定も進める。
グリーン住宅200万戸の建設目標は、政府が09年1月に発表した「グリーンニューディール戦略」で掲げられた。今回の計画で、具体化することになる。