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2011/06/17

<総合>欧州市場で韓国製品が存在感

  • 欧州市場で韓国製品が存在感

    ドイツのスマートフォン市場でシェア1位を獲得したサムスン電子のギャラクシーS2

 欧州市場で韓国製品の存在感が増している。テレビなど家電製品、携帯電話、自動車などのシェアが年々拡大。「メイド・イン・コリア」が身近な存在になっている。パリで開かれたK―POPのコンサートが熱狂に包まれ、韓流が欧州で広がることによる経済的相乗効果も大きい。今後、韓国製品が欧州市場でますます浸透しそうだ。

 欧州市場でサムスン電子やLG電子、現代自動車など韓国のブランドはいまではすっかり市民権を得ている。すでに数年前から薄型テレビや携帯電話家電などで韓国のイメージは高まっていた。

 韓国製テレビのシェアは07年ごろから急上昇、現在は薄型テレビ市場でサムスン電子1位、LG電子2位が指定席になっている。最近では、3Dテレビの販売シェア(1~2月)でサムスンがソニーやパナソニックを抑える49・9%を占めトップとなり、LG電子(7・7%)も4位につけた。

 携帯電話もサムスン電子とLG電子が欧州攻略を本格化した05年ごろから存在感を高め、現在ではサムスン電子がノキアを抑え西欧でトップシェアを占めている。韓国製スマートフォン(高機能携帯電話)人気も高く、サムスン電子のギャラクシーS2はドイツで、発売2週間でスマートフォン販売台数1位を記録。ドイツのスマートフォン市場での同社のシェアは43・5%を占める。携帯電話市場全体でのシェアも41・5%でトップに立った。

 自動車も躍進著しい。欧州自動車工業会によると、現代・起亜自動車は昨年、欧州で前年比4・6%増の62万911台を販売。シェア4・5%を占め、トヨタを抜き9位となった。スペインの現代自動車販売ディーラーは、価格と品質で負けないと自信を強めている。

 こうした中、K-POPの経済効果も期待される。韓国貿易協会によると、06~10年の日本、中国、台湾、ベトナムなどに対する輸出増加率は平均13%だが、フランス、ドイツ、米国、英国など欧米先進国に対する輸出増加率は2%台にすぎなかった。専門家らは、韓流熱風がこれら欧米先進国に対する輸出拡大の突破口の役割を果たすとみている。

 サムスン経済研究所では、「フランスの韓流熱風はいま始まったばかりだ。今後数年内に韓流の経済効果は相当な規模になる」と予想、所得水準が高く人口が5億人を超える欧州の巨大市場攻略のチャンス到来だと見ている。

 7月から発効するEU(欧州連合)とのFTA(自由貿易協定)効果もある。韓国とEU諸国との貿易額は昨年922億㌦に達した。中国に次いで2番目に大きい貿易相手だ。FTA発効で関税が引き下げられ、欧州市場はさらに近づくことになる。