李明博大統領は20日、青瓦台(大統領府)で物価急騰に伴う緊急対策会議を主宰し、主要生活必需品価格を16市道別に比較して公開するよう指示した。比較が可能な品目としてバスや地下鉄料金、野菜価格などをあげた。また、朴宰完(パク・チェワン)・企画財政部長官を中心に関係長官が物価状況を毎週点検する会議の開催を指示した。その会議もできるだけ現場に行き、現場の声を反映する実質的な対策を出すように求めた。今回の指示を受け、朴宰完・企画財政部長官主宰で物価関係長官会議を開き、総合対策を講じ、来週初めに発表する予定だ。
今回の緊急物価対策会議は梅雨明け後に値上がりの動きを見せている農産物価格を含め、原油価格、公共料金などに対する対策を協議するために開かれた。青瓦台は定期的に開かれる国民経済対策会議とは別途に、物価安定を図る必要があると判断し、異例的にこの日の会議を招集した。対策会議には企画財政部の朴宰完長官、崔重卿(チェ・ジュンギョン)知識経済部長官ら関係官庁の長官らが出席した。
李大統領は、「これまで物価当局が行ったような取締りなど通常的な方法ではなく、発想を転換し、物価構造の体系を改善できる対策を講じるよう」と強い調子で指示した。物価問題が政権の大きな足かせになっている現実を早急に打開する必要があり、大統領が直接乗り出して対応する姿勢をみせた。
2日前の18日。李大統領は、首席秘書官会議を招集し、青瓦台の経済首席秘書官室内に物価管理TF(タスクフォース=専担班)の設置を指示していた。これは、物価問題を青瓦台で直接管理するサインだった。
物価対策は今年に入っても何度も立てられたが、消費者物価は6カ月連続で前年同期比4%以上の上昇を記録。52の生活必需品で構成される物価管理品目も41品目が上昇するなど、物価対策の効果は上がっていない。
企画財政部が中心になって物価安定対策を立て、知識経済部や農林水産部、公正取引委員会などの協力で政策を推進するのがこれまでの方式だった。企画財政部第1次官主宰で今年1月からこれまで21回開かれるほど、物価問題は頭痛の種だった。
首席経済秘書官室の関係者は、「経済首席秘書官室には物価専門家が何人もいるので、効果的な対策が立てられるだろう。経済首席秘書官室の60余人中、10人ほどが物価専門班に配置され、物価安定のため現場視察も行うことになる」と語った。しかし、「青瓦台が直接担当して成果が出なければ、政治的打撃は大きい」という指摘もある。
一方、崔・知識経済部長官は、価格が高いガソリンスタンド500カ所を選び、集中的に調査すると明らかにした。
韓国では農畜産物の価格高騰で始まった物価の上昇が、多方面に広がっている。卵は昨年比30%上昇、三枚肉も最高70%アップ。ニンニクは1カ月で191%の急騰といった具合で、外食メニューに飛び火した。ジャージャー麺・雪濃湯(ソルロンタン)も値上がり、庶民の財布を直撃している。このため、原価割れしている電力料金を8月から7%引き上げる知識経済部の計画は、事実上困難になっている。