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2011/08/19

<総合>社会貢献・協力成長、韓国財界に新たな動き

  • 社会貢献・協力成長、韓国財界に新たな動き

    現代重工業はじめ現代関連企業のCEOらが参加して財団設立を発表した。前列左から4人目が鄭鎮弘・財団設立準備委員長

  • 社会貢献・協力成長、韓国財界に新たな動き②

                    鄭 夢準 議員

 企業の社会的責任が問われている韓国財界で、新たな動きが起こっている。現代ファミリーが5000億ウォンを拠出して韓国最大の社会福祉財団を設立すると発表した。財団は、当面目標として、韓国社会の二極化と青年失業の解消を掲げている。一方、大企業と中小企業の協力発展をさらに進めるべく、サムスン電子は下請けの協力企業50社を選抜して、資金・技術など経営全般にわたる支援を行い、各業種で世界一の部品メーカーに育成する計画を打ち出した。このような動きが、他の財閥にも影響を及ぼし、大きな流れとなるのか注目される。

 現代重工業グループ、KCC、現代海上火災保険、現代百貨店、現代産業開発など現代ファミリーの関連企業の社長団は16日、記者会見を開き、5000億ウォン規模の社会福祉財団「峨山(アサン)ナヌム財団」の設立計画を発表した。サムスングループの李健熙(イ・ゴニ)会長一家の私財と株式8000億ウォンを財源に設立した奨学財団に匹敵するもので、社会福祉財団としては国内最大規模となる。

 同財団は、現代関連企業と各オーナー個人の資金拠出で設立される。関連企業の拠出内訳は、①現代重工業グループ2380億ウォン②KCC150億ウォン③現代海上火災保険100億ウォン④現代百貨店50億ウォン⑤現代産業開発50億ウォン⑥現代綜合金属30億ウォン⑦その他企業380億ウォン―となっている。

 オーナーの拠出は、現代重工業の筆頭株主の鄭夢準(チョン・モンジュン)・ハンナラ党議員が現金300億ウォンや株式など合計2000億ウォンで最も多く、鄭相永(チョン・サンヨン)・KCC名誉会長、鄭夢根(チョン・モングン)・現代百貨店グループ名誉会長、鄭夢奎(チョン・モンギュ)・現代産業開発会長、鄭夢允(チョン・モンユン)・現代海上火災保険会長、鄭夢錫(チョン・モンソク)・現代綜合金属会長、鄭夢進(チョン・モンジン)・KCC代表取締役会長、鄭夢翼(チョン・モンイク)・KCC代表取締役社長、鄭志宣(チョン・ジソン)・現代百貨店グループ会長らも私財240億ウォンを投じる。

 拠出金額から明らかなように、鄭夢準議員が主導する財団だ。仲違いしている現代グループと現代自動車グループは、今回の財団設立に参加していない。財団設立準備委員会委員長の鄭鎮弘(チョン・ジノン)・ソウル大学名誉教授は、財団発足の時期について「2~3週間以内」と述べ、「二極化解消のための分かち合いの福祉を実現し、青年たちが創業精神を高揚できるようにしたい」と強調した。

 鄭夢準議員は、自らが財団設立のため親族を説得したと明らかにし、「企業の最も大きな目的は利潤追求を通じて生き残ることだ。だが、それ自体が企業の生存理由になれば、企業自ら不幸な結果になる。二極化や青年失業問題など企業の未来と関連する社会問題に企業経営者が無関心であれば、結局企業は社会と関係のない組織に転落し、企業の生存まで脅かされるだろう。少なくとも企業経営者であれば、善良な企業市民としての力量を備え、社会の困難に関心を向けねばならない」と強調した。

 今回の財団設立は、現代ファミリーがノブレス・オブリージュ(身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務があるとした欧米社会における基本的な道徳観)を実践するために手を組んだ形となったが、今後企業の社会的責任をどう実践に移すのかに関心が集まっている。

 今年は、故・鄭周永(チョン・ジュヨン)・現代グループ創業者が死去してから10周忌に当たる。峨山の精神を受け継ごうということになった。今回の峨山ナヌム財団は、設立契機と過程、出資方式から他の大企業関連財団とは性格が違う。現代ファミリーの身内の行事で自発的に決められ、出資金も企業のお金ではなく、オーナーらの個人の財産が大きなウエートを占める。財界からは、今回の財団設立を契機に寄付文化が広がることを期待する声が出ている。