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2011/09/23

<総合>先進国は途上国発展支援を

  • 先進国は途上国発展支援を

    国連総会で演説する李明博大統領

 李明博大統領は21日、加盟193カ国代表が参加してニューヨークで開かれている第66回国連総会で基調演説を行い、「北朝鮮が共生・共栄の道を選ぶなら、韓国は国際社会と共に喜んで支援する」と強調した。また、「先進国と開発途上国間の格差が深まれば、国際平和の維持も難しくなる」として、世界金融危機で全世界を揺るがした自由市場経済に対する反省が必要だと強調。国連のミレニアム開発目標(MDGs)に対するODA(政府開発援助)を2015年までに倍増すると約束した。

 李大統領の国連演説は、09年9月の国連総会についで2回目。

 今回は北朝鮮問題とともに、先進国と途上国間の開発格差の問題についても多くを言及。「これは貧困問題にとどまらず、国際平和の阻害要因である」として、「国際社会が責任を共有し、各自の役割が相互補完的になされる時、地球村という共同体の共同発展に寄与し得る」と力説した。

 李大統領は続けて、「先進国は途上国が自身の力量を養成し、身ら成長と開発を実現できるように助けなければならない」と指摘、そのためには途上国の貿易・投資・金融・人的資源などの開発を支援できる国際的な環境を作る必要があると呼びかけた。

 その上で、「国連が推進しているMDGsも、先進国と途上国の共同発展を追求する重要な課題だ」とし、「韓国政府は国際社会の開発協力に積極的に参加する」と表明。そのためにODAを現在の2倍以上に増やす計画を履行すると約束し、韓国の開発経験を土台に途上国自ら成長できる力量を養成できるように支援すると明らかにした。

 MDGsは、2000年9月の国連ミレニアム(新千年)サミットで採択された国連ミレニアム宣言と、90年代に開催された主な国際会議やサミットで採択された国際開発目標を統合し、一つの共通の枠組みとしてまとめられたもの。

 15年までに達成すべき目標として、①極度の貧困と飢餓の撲滅②普遍的初等教育の達成③ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上④幼児死亡率の削減⑤妊産婦の健康の改善⑥ エイズの蔓延阻止⑦環境の持続可能性の確保⑧開発のためのグローバル・パートナーシップの推進――の8項目を掲げている。

 また、李大統領は環境と成長を同時に追求する構想も示した。韓国が08年から国家長期成長ビジョンとして推進しているグリーン成長政策を紹介し、世界各国と協力してソウルに発足したGGGI(グローバル・グリーン・成長研究所)に対する協力を求めた。

 前回の国連演説で李大統領は、北朝鮮問題について、核プログラム除去のための国際協力の必要性を強調したが、今回は「国際社会の責任ある一員として世界と共に平和と繁栄を築くことを期待する。21世紀は安保も、経済もお互いに協力して共同繁栄を追求する世界であり、北朝鮮も時代の流れに合流すべきだ」と直接訴えているのが特徴だ。最近の南北交流再開へ向けた一連の動きと関連がありそうだ。

 来年3月にはソウルで開催される第2回核安全保障サミットが開かれるが、李大統領は「国際協力体制を構築できるようベストを尽くしている」とアピールした。特に、国際社会は核兵器などの拡散を防止する体制を強化すべきと強調。

 また、中東・北アフリカの民主化運動にも言及、「民主化を熱望する国民の要求は当然の権利であり、国連をはじめとする国際社会は彼らに対する弾圧や人権蹂躙が放置されないよう努力すべきだ」と訴えた。