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2011/12/09

<総合>韓国・貿易1兆㌦を達成

  • 韓国・貿易1兆㌦を達成①

    韓国貿易協会がソウルの貿易センタータワー前で除幕した「貿易1兆㌦達成記念塔」

  • 韓国・貿易1兆㌦を達成②

 韓国が初めて年間貿易1兆ドルを達成した。知識経済部は5日、同日午後3時30分現在の通関ベースの輸出入業績を暫定集計した結果、輸出5150億ドル、輸入4850億ドルを記録したと発表した。貿易額1兆ドル突破は米国、ドイツ、中国、日本、フランス、英国、オランダ、イタリアに次いで世界9番目。植民地支配から独立した国の中で初の貿易1兆ドルを達成。世界の経済史に新たな記録を刻んだ。(2、3面に関連記事)

 1962年に輸出主導型の経済開発5カ年計画をスタートさせてから半世紀。貿易額は62年の4億7800万㌦に比べ2000倍以上も増えた。その後も貿易は拡大を続け、1000億㌦を突破したのは、ソウル五輪の88年。97年の通貨危機を乗り越え、05年には5000億㌦に達し、今回の1兆㌦達成となった。1兆㌦達成までのスピードも新記録だ。

 当初は慢性的な貿易赤字に悩んだが、貿易収支が黒字に転換。今年は、340億㌦の黒字が見込まれている。資源の乏しい韓国にとって、最大の成長エンジンは輸出だが、最も輸出に貢献した品目は半導体だ。輸出100億㌦を突破した77年から5000億㌦を突破した11月末までの半導体の累計輸出額は3070億㌦にのぼる。次いで自動車(2283億㌦)、船舶(1784億㌦)の順だ。近年では石油製品や携帯電話が急速に輸出を増やしている。輸出の世界ランクは今年、イタリアを抜き7位に上昇する見込みだ。この輸出伸張があればこそ、石油などの資源輸入が可能になり、貿易拡大が実現。輸入ランクは昨年と同じ世界9位だ。

 貿易拡大は国民所得も飛躍的に拡大させた。1人当たりの国民所得は、62年の87㌦か2万3000㌦(今年推定)へと260倍以上増え韓国を先進国レベルに押し上げた。

 知識経済部は、「1兆㌦達成は、韓国が巨大先進経済圏に入ったことを示すものだ。韓国製品に対する信頼が高まり、経済効果が期待できる」説明した。だが、ポスト1兆㌦の課題も多い。

 特に、世界経済の不確実性が高まる中、保護貿易主義が台頭しており、新たに登場した新興国との競争などに対応しなければならない。構造的には、大企業中心の貿易と輸出の雇用創出力が低下しており、貿易の成果が中小企業と庶民の生活に十分に届いていない。

 洪錫禹(ホン・ソグ)・知識経済部長官は、「労働者と国民の汗で成し遂げた貿易1兆㌦は誇らしい歴史的出来事」と評価した上で、2兆㌦の新しい目標に進むために新成長エンジンを発掘することも重要だと強調した。韓国貿易協会の国際貿易研究院の報告書によると、韓国の輸出は船舶、石油製品、半導体、液晶パネル、自動車、携帯電話の6品目の比率が高い。少数の品目に依存する輸出構造は、内外情勢の影響を受けやすいため、さまざまな分野で力のある中小企業を育成すべきだと指摘した。

 韓国は、GDP(国内総生産)に占める貿易の比率が110・9%を超えており、米国(31・3%)、日本(31・8%)はもとより、貿易大国のドイツ(95・3%)より高い。バランスのとれた発展のため、内需基盤の育成も大きな課題だ。

 李明博大統領はこのようなポスト1兆㌦の諸課題を見据え、戦略的な対策を指示した。