政府は25日の閣議で、総支出(歳出)342兆5000億ウォンの来年度予算案を確定した。今年度より5・3%増で、経済成長率4%を見込んで編成した。景気回復と均衡財政の達成に焦点を置いた予算案だ。特に、一部財政融資に対して、政府が市中金利と政策金利の差額を補填する利子補給方式を採用したことで、実際の歳出増加率は7・3%に膨らむことにとなる。来月2日までに国会に提出するが、国会審議で大幅修正の可能性もある。
分野別予算配分をみると、保健・福祉・労働の福祉関連予算が今年比4・8%増の97兆1000億ウォンで最も多い。しかし、財政融資事業の一部を民間に任せたため総支出から除外された5兆5000億ウォン(分譲住宅建設の融資金3兆ウォンと住宅購入の融資金2兆5000億ウォン)を含めると、福祉分野の支出は10・8%増の102兆6000億ウォンに膨れ上がる。初の100兆ウォン突破だ。福祉支出は05年に50兆ウォンを突破し、8年間で倍増したことになる。
この間論議を呼んだ大学生の学費負担も軽減される。国家奨学金の予算が5000億ウォン増の2兆2500億ウォンとなり、学費支援が受けられる対象が現行の所得下位30%から70%に拡大する。これにより、支援対象学生は37%から50%に拡大、全大学生204万人の41%に相当する83万人が学費の半額を支援される見通しだ。また、性暴力と校内暴力の急増に対応するため、7000億ウォンの予算をつけた。
雇用分野の予算は、8・6%増の10兆8000億ウォン。民間雇用の冷え込みと青年層やベビーブーム世代の苦境に配慮し、今年より2万5000人多い59万人の雇用を創出する計画だ。
SOC(社会間接資本)予算は3・6%増の23兆9000億ウォンで、09年以後4年ぶりの増加だ。関係部署の要求20兆8000億ウォンより増額しており、景気浮揚に効果が大きいSOCに期待をかけた。平昌(ピョンチャン)冬季五輪関連には9500億ウォンを割り当てている。
企画財政部の関係者は、「世界的な金融危機による雇用市場と地域経済の衝撃を最小化するための措置だ」と説明。
R&D(研究開発)予算は5・3%増の16兆9000億ウォン。未来産業のため、創造的な研究開発分野への投資に重点を置き、国際科学ビジネスベルト造成やロケット発射台開発など大型事業を本格化する。
一方、総収入(歳入)は8・6%の、373兆1000億ウォンで編成された。国税収入が5・2%増の216兆4000億ウォンで、税外収入が32・0%増の37兆4000億ウォン、基金収入が8・9%増の119兆3000億ウォンになる。
総収入から総支出を引いた統合財政収支は、黒字編成の形になっている。だが、均衡財政いかんを測定する管理対象財政収支(統合財政収支から国民年金など社会保障性基金を差し引いた金額)は4兆8000億ウォンの赤字となる。政府は、GDP(国内総生産)比0・3%の赤字であり、均衡財政の範囲内とみているが、閣議で決めた「2012~16年国家財政運用計画」によると、管理対象財政収支は16年に8兆3000億ウォンに膨らむ。
国家債務残高は今年の445兆2000億ウォンから来年には464兆8000億ウォンに増加するが、GDP比では比34・0%から33・2%に低下する見通しだ。国税と地方税を含めた国民1人当たりの税負担は550万ウォンで、今年に比べて25万ウォン増える。