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2012/07/06

<総合>経済活性化へ8兆5000億ウォン投入

  • 経済活性化へ8兆5000億ウォン投入

    下半期経済対策を決めた非常経済策会議

 政府は、今年の経済成長率を当初見込みの3・7%から3・3%に引き下げた。欧州の債務危機など対外環境の悪化で本格的な景気回復が遅れていると判断したためだ。このような認識のもと、下半期(7―12月)の経済政策の基調を危機管理と景気浮揚に置き、8兆5000億ウォン規模の財政投入を決めた。だが、経済活性化の決め手となると楽観はできない。世界経済の低迷は長期化しており、即効的な対策は見出せない状況であるため、韓国も持久戦を強いられそうだ。

 企画財政部は、非常経済対策会議で李明博大統領の今後の経済対策を報告した。朴宰完(パク・チェワン)・企画財政部長官は「当初予想より対外環境が悪化しており、下半期の政策条件は容易でない状況だ。現在の事態が長期化するだろうとの前提で、家計負債など経済体質改善に力点を置いた」と説明した。

 政策のポイントは、庶民層・中産層の支援強化だ。主な支援内容は①65歳以上の高齢者にも失業手当を支給する②高卒者が軍に入隊後に除隊した場合、再雇用した企業に税額控除措置を講じる③賃貸物件の保証金が返還されない状況で、他物件に転居するための費用を借り入れる場合、住宅金融公社が保証を行うなどだ。

 また、政府は「潜在的信用不良者」の利払いを一部減免し、元金返済期限を延長する事前債務調整(プレワークアウト)の推進も決めた。

 資金支援の内訳は、①国民住宅基金など10の基金の投資額を拡大し、住宅購入などの融資事業に2兆3000億ウォン投入②社会間接資本を中心に公共・民間投資を1兆7000億ウォン増額③今年使わず来年に繰り越す予算を最少化し、4兆5000億ウォンの予算を追加執行するというもの。

 国会の同意が必要ない範囲内で調達可能な財源をすべて集めた準補正予算といえよう。また、中小企業の投資増大を通じた内需活性化のため、産業銀行と企業銀行で3兆ウォン規模の設備投資ファンドをつくり、資金支援も推進する。

 今回、補正予算の代わりに財政投入を選択したのは、長期戦に備えようとしたものだ。現在の長期化する世界経済の沈滞に備えるためには、財政健全性の維持が必須であるからだ。すぐには財政収支に支障が出ない基金増額や既存予算の活用などの方法を採用した。国家債務はGDP(国内総生産)の30%内を堅持するのが政府の基本方針だ。ただし、財政投入も長期的には国家債務の負担になるとの指摘もある。

 政府はこれとは別に、危機状況にある中小建設業界と不動産市場の活性化対策も講じた。①中小建設企業を助けるため、3兆ウォンにのぼる流動性支援を実施する②銀行が保有している2兆ウォン規模のPF(プロジェクトファイナンス)債券を追加で買い入れ、PF正常化を誘導するというものだ。

 いま韓国経済は輸出に多くを期待できないだけに、内需を活性化させなければならない。政府は遅まきながら対策を打ち出したが、09年の世界金融危機の際に組んだ29兆ウォンの補正予算の半分にも満たない対策では役不足だとの指摘が多い。

 今年の成長率が政府の修正見通しの3・3%にとどまれば、李政権5年間の平均成長率は3・2%となり、韓国政府が樹立して以来最低となる。政権末期の李政権にとって、年平均7%成長は遠い夢物語となった。