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2012/03/09

<総合>韓国・UAEの油田開発に初進出

  • 韓国・UAEの油田開発に初進出①

    UAEとの油田開発契約を終えた両国関係者

  • 韓国・UAEの油田開発に初進出②

 韓国が世界6位の原油埋蔵国(978億バレル)であるUAE(アラブ首長国連邦)の油田開発事業に進出することになった。韓国石油公社とGSエナジーからなる韓国企業連合は5日、UAEの首都アブダビでADNOC(アブダビ国営石油会社)と未開発の油田鉱区3カ所に対する開発契約を締結した。昨年3月に結んだMOU(了解覚書)に基づき本契約が実現した。韓国が石油開発分野で中東産油国に進出するのは初めてで、資源外交の大きな成果だ。

 開発する3鉱区はアブダビ首長国に属し、陸上鉱区2カ所、海上鉱区1カ所からなる。すでに探査・試掘を通じて5億7000万バレルの原油埋蔵が確認されている。

 事業資金は50億㌦で、契約期間30年。韓国企業連合が確保した鉱区の持ち分は40%(韓国石油公社34%、GSエナジー6%)で、20億㌦を負担することになる。残り60%はADNOCの持ち分だ。

 2014年から原油生産を開始する計画だが、日量4万3000バレルが見込まれている。このうち、韓国側は持ち分に従い1万7000バレルの原油を確保できることになっている。韓国石油公社とGSエナジーは、ADNOCと今月中にも合弁会社を設立し、油田開発に着手する予定だ。

 韓国が海外鉱区で確保した権利は、英国の石油探査企業ダナ・ペトロリアム社買収による日量4万8000バレルが最も多く、次いでカナダの石油会社ハーベスト・エナジー買収による3万8000バレルが2番目に多い。今回のUAEで確保した物量は第3位の規模だ。このほかにベトナムなどで1万バレル以上確保している。韓国の昨年の自主開発物量は46万5000バレル。UAEで生産が始まれば、昨年13・7%だったガス・石油自主開発比率を0・5ポイント高めることになる。

 知識経済部によると、石油需給の悪化などで非常事態が発生した場合は3つの鉱区で生産される原油を100%韓国内に持ち込むことができる別途規定を本契約に盛り込んでいる。つまり、日量4万3000バレル全量に対する権利を韓国側がもてるということだ。

 開発する2つの陸上鉱区の面積は9173平方㌔㍍で、アブダビ全体の面積の約10%に相当する。面積が大きいだけに追加鉱区を発見する可能性も高い。新たな鉱区を確保すれば、韓国の持ち分40%に相当する排他的権利をもつよう規定している。知識経済部関係者は「これら2つの鉱区の間にはアブダビ鉱区など30億バレル以上の埋蔵量を誇る大型油田があるだけに、周辺地域の原油埋蔵可能性も高い」と語った。

 UAEの油田開発で外国企業が参入したのは、日本企業が1979年に海上油田開発に参入して以来33年ぶり。これまで参入した外国企業は日本を含め米国(エクソンモービル)、英国(BP)、フランス(トータル)の4カ国しかない。今回が5カ国目となる。

 開発主体の韓国石油公社は世界の石油開発企業の中では77位にすぎず、今回の進出成功は、韓国の資源外交の勝利ともいえる。UAEとは、原子力発電所の建設を受注するなど近年、経済協力関係が拡大している。

 韓国石油公社とタッグを組んだGSエナジーは、GSグループの資源開発部門として、今年1月に発足したばかり。親企業の許東秀(ホ・ドンス)・GSカルテックス会長は「今回の事業はADNOCと提携関係を結んできたGSカルテックスが土台を築き、GSエナジーが参入に成功した例だ。今後もエネルギー関連の新規事業で相乗効果を最大化させていく」と述べた。

 李明博大統領は6日、UAE油田開発について「政府はこの2年間、UAEの油田開発事業に参加するため、努力してきた。原油埋蔵量で世界6位となるUAEの油田を確保できたのはエネルギー安保面で大きな力になる」と評価した。