知識経済部は20日、今年のエネルギーR&D(研究開発)実践計画を確定した。(1)エネルギー資源(2)新・再生エネルギー(3)電力・原子力(4)エネルギー効率向上と温室効果ガス削減の4分野・19課題に1兆831億ウォンを投入する。今回の実践計画は、新・再生エネルギー開発に重点をおき、2次電池などエネルギー蓄積技術の研究開発を集中的に支援する。
今回の計画では、原子力発電の源泉技術の自立など韓国型原発のグローバル競争力を強化し、新・再生エネルギー普及とスマートグリッド(ITを活用して電力と情報の双方向ネットワークを整備し、リアルタイムで需給を行う電力網)構築のためのエネルギー蓄積技術を積極的に開発する計画だ。
エネルギー蓄積技術とは、電気エネルギーをバッテリーなど他の形態に転換して蓄積する技術のことだが、近年では電気自動車用の2次電池など広がりをみせている。超伝導技術を用いて電力を蓄積するSMES(Superconducting Magnetic Energy Storage)や超伝導フライホイール(はずみ車)という装置も研究されている。
韓国のエネルギー消費量は年々増加、1990年に比べ3倍に増えている。石油資源が皆無なため、最近のような原油高になると負担が加重する。海外で石油・ガスの自主開発を積極的に展開しているのも、このためだ。
近年では太陽光、風力、潮力など新・再生エネルギー開発に本格的に取り組んでおり、海外進出にも力を入れている。
電力と原子力技術の開発をはじめ、最近の大規模停電や原発事故などに対応するため、原発の安全、電力の需給管理、新・再生エネルギー技術など中長期課題97件に1119億ウォンを投入する。
該当課題を開発する事業者を5月10日までに募集、事業計画書を評価し、6月までに確定して資金支援する予定だ。
また、エネルギー専門人材養成に418億ウォン、米国やEU(欧州連合)、中東、アフリカなどとのエネルギー共同研究開発に209億ウォンの予算を予定している。
今回の計画では、エネルギー研究開発の方向を市場の創出と、低所得層・高齢者が多く利用するエネルギー多消費機器の効率性と安全性の改善にも力点を入れている。
さらに、大企業と中小企業の協力発展のため、中大型の課題に対して中小・中堅企業の参加を義務付けている点も注目される。
知識経済部によると、「2011~20年のエネルギー技術開発計画」でエネルギー技術の革新を通じた5大グリーンエネルギー産業国入りというビジョンを掲げている。
このため、エネルギー研究開発予算を拡大し、グリーンエネルギー中核部品・素材の国産化率を現在の56%から85%まで高める計画だ。また、企業のエネルギー部品・素材・装備のR&D支援も拡大する。これらの政策を通じて、20年までにグリーンエネルギー産業の世界シェア10%達成とエネルギー効率の12%向上をめざしている。
エネルギー技術開発の最近の成功例としては、紙のように曲がる太陽電池の開発がある。韓国電気研究院チームが世界で初めて開発した「フレキシブル太陽電池」の製造技術だ。
韓国伝統の窓戸紙扉構造を応用したこの太陽電池は、金属の格子とセラミックスの紙、ナノ繊維などを使用し、軽くて耐久性が強いうえ、紙のように自由に曲げられる。このため、さまざまな形状に制作でき、太陽電池の新市場を開拓できる契機になると評価されている。