麗水(ヨス)世界博覧会が開幕した。8月12日まで93日間、「生きている海、息づく沿岸」をテーマに海洋資源の重要性を訴え、人類と海との共存を探る様々な展示や文化芸術イベントが繰り広げられる。展示には世界104カ国・地域、10の国際機関が参加。組織委員会は会期中、国内外から1000万人以上の来場者を見込んでいる。
韓国南海岸の麗水市(全羅南道)の海に面した25万平方㍍につくられた博覧会場。開幕前日の11日、会場に浮かぶ博覧会シンボルの「Big-O(ビッグオー)」に設置された特別ステージで開幕式が行われた。
李明博大統領は、「南海岸は美しいが、韓国でも知られていない場所が多い。世界博を機に、世界で最も有名な観光名所になることを期待する」と述べ、開幕を宣言した。姜東錫(カン・ドンソク)組織委員長は「160年となる万博の歴史で、最も輝く万博になるようベストを尽くす」と強調した。
博覧会場に面した海では帆船やヨットなどによる船上パレードが行われ、「Big-Oの大スクリーンには光と水を使った華麗な映像が映し出された。人気歌手のIUが博覧会のPRソング「海が記憶する物語」を歌い、世界的ソプラノ歌手のスミ・ジョーや合唱団が海上ショーの主題歌「花咲く海」を熱唱し、開幕式を盛り上げた。
開幕式には参加国・機関の代表ら2700人余りが出席。博覧会国際事務局のロセルタレス事務局長は「私が見たどの博覧会よりも会場が美しい。海は今日の社会で大切な問題。そういう意味でも非常に重要な博覧会だ」と述べた。
来場者の出足は、初日3万6000人、その後も2万~3万人台で、予想を下回った。組織委関係者は「今後、首都圏からの訪問ラッシュが予想され、週末・休日10万人も可能だ」と話した。
今回の麗水世界博開催ために、総額2兆1000億ウォンを投入。経済効果は大きく、韓国全体の生産誘発効果12兆2000億ウォン、付加価値創出5兆7000億ウォン、雇用誘発7万9000人と試算されている。
テーマの海(SEA)には科学(Science)、娯楽(Enjoy)、芸術(Art)の3つのコンセプトが込められている。80の展示館と8000回の各種公演を通じて世界に伝えるメッセージだ。
組織委は、先端技術を駆使し、来場者に娯楽と芸術的価値を伝えたいとしている。例えば、海洋産業技術館には、海藻類で作った未来型自動車の模型を展示している。燃料はエタノール。陸地資源枯渇の代案として、海の中からエネルギー、新素材、食料、新薬などを得る過程が立体映像とパフォーマンスで紹介されている。
海洋都市文明館には海底都市の縮小版を展示。太陽光を活用したエネルギービル、海中公園、カプセル住宅、海中リゾートを出現させた。海を泳ぐロボットも登場。麗水世界博は、それこそ海を活用した科学技術の競演場だ。
毎週末にはBig-0の海上舞台で少女時代などの人気グループによるK-POP公演が行われる。街頭公演も毎日70回以上準備しており、楽しめる世界博でもある。夜、高さ55㍍のスカイタワー展望台にのぼれば、光り輝く博覧会場の全景を見渡せる。幻想的な気分に浸れる。また、世界最高の音量を出すパイプオルガンの演奏は芸術的感興を与えてくれる。