韓国と南米コロンビア間のFTA(自由貿易協定)交渉が妥結した。年内に正式署名を行い、来年上半期(1―6月)中に発効する見通しだ。李明博大統領の中南米歴訪に随行した朴鎬(パク・テホ)・通商交渉本部長は25日、コロンビアの首都ボゴタの大統領宮で、セルヒオ・ディアス・グラナドス通商産業観光大臣とFTA交渉妥結宣言文に署名した。2009年12月の交渉開始から2年半ぶりの完全妥結だ。韓国にとって10番目のFTAであり、中南米国家とはチリ、ペルーに次ぐ3番目のFTAだ。
両国間のFTAは、商品、原産地、通関、衛生・検疫、貿易救済、投資、サービス、電子商取引、政府調達、知的所有権、協力など22分野に関する包括的内容を盛り込んでいる。
両国は協定発効後、10年以内にほとんどの品目(韓国96・1%、コロンビア96・7%)の関税を撤廃する。韓国の主要輸出品の乗用車(現行関税率35%)は10年以内、自動車部品(5~15%)は即時ないし5年内、繊維・衣類(15~20%)は即時ないし7年以内にそれぞれ撤廃される。
農産物分野では、コメ以外にも唐辛子、にんにく、たまねぎなど153品目が対象から除外された。その代わり、コロンビア産コーヒー(現行関税率2~8%)は即時ないし3年内、花(25%)は3~7年内、バナナ(30%)は5年内、牛肉(40%)一部部位を除き19年後にそれぞれ撤廃される。
コロンビアは4600人の人口をもつ中南米第3の市場だ。両国間の貿易は昨年19億9000万㌦(輸出16億1000万㌦、輸入3億8000万㌦)に過ぎないが、FTAが発効すれば貿易増大が期待される。
最大の輸出品である自動車は発効後10年間、関税が毎年3・5%ずつ引き下げられることになっており、韓国自動車業界は新市場開拓に道が開けると期待が大きい。コロンビアからの最大輸入品はコーヒーで、昨年の輸入額は1億1400万㌦。一部は発効即時に関税が撤廃されるので輸入急増が見込まれる。
外交通商部関係者は「コロンビアは豊富な鉱物資源と高い潜在成長力を持ち、中南米進出の拠点になり得る。この点で単純なFTA以上の意味がある」と話した。
李大統領とサントス大統領は、FTA妥結後に首脳会談を行い、「FTAの締結が両国の経済協力を深め、両国が中南米とアジアにそれぞれ進出する足掛かりになる」との認識で一致した。
両首脳はまた、住宅建設、都市・交通インフラ、エネルギーなどの分野での協力を評価し、今後、石油化学、鉱物資源、環境、青少年および文化交流分野などでの協力拡大に向け努力することで一致した。
両国間のFTAだけでなく、「戦略的協力パートナー関係」という具体的な協力のビジョンと制度を基盤に実質的な協力関係を深め、拡大させることにした。
李大統領は共同記者会見で「両国間のFTAは貿易・投資・サービスなどの分野を網羅した包括的で深い内容を盛り込んでいる。両国の相互補完的な経済構造を勘案すると、両国の産業は貿易・投資拡大を通じ発展するだろう」と述べた。サントス大統領は「韓国の投資に大きな関心を持っている。新規・共同プロジェクトに参加することを望んでいる」と話した。
李大統領は、現地紙とのインタビューでFTA締結で両国間の貿易額は今後5年間で5倍以上に拡大し、投資も増大するとの見通しを語った。
李大統領は今回の10日間にわたる中南米4カ国(メキシコ、ブラジル、チリ、コロンビア)歴訪を通じて、中南米での韓国商品の販売拡大に道筋をつけた。