韓国とトルコが1日、両国間のFTA(自由貿易協定)を締結した。朴泰鎬(パク・テホ)・通商交渉本部長とチャーラヤン経済相はこの日、トルコの首都アンカラでFTAの基本協定と商品貿易協定に署名した。来年1月1日の発効をめざす。2010年3月からの交渉の末に妥結、今回の署名となった。韓国がFTAを結ぶのは9件目で、韓国のFTA網は46カ国に広がった。
朴通商交渉本部長は、トルコとのFTAについて「両国間の経済・通商関係を制度的に保障する契機になる。2~3年内に貿易規模が100億㌦~200億㌦にまで拡大することを期待する」とコメント。トルコ側は「これまでトルコが締結したFTAの中で最も意味がある。両国が経済的に近くなる契機になる」と期待を表明した。
韓国とトルコは2010年3月にFTA交渉を開始し、これまで4回の公式交渉を経て、今年3月の首脳会談で交渉妥結を宣言した。
両国はまた、社会保障協定も締結。これにより、トルコに派遣された韓国労働者は最大5年間、社会保険加入を免除される。年間約30億ウォンの企業負担が軽減される見込みだ。
FTA締結により、双方は90%前後の品目の関税を10年以内に撤廃する。自動車などの工業製品は7年以内に関税を全廃する。
石油製品(関税率3・5~4・7%)と石油化学製品(6・5%)は即時、化学繊維(4%)・織物(8%)は5年以内に関税率が0%となる。自動車(10~22%)・自動車部品(3~4・5%)・カラーテレビ(14%)などは7年以内に関税が撤廃される。
これに伴い、トルコ市場で韓国の主要輸出品の自動車と自動車部品の価格競争力が強化される見込みだ。特に排気量1600㏄以下の中小型低価格車が全体の90%を占め、小型車の直接輸出が増えそうだ。
農水産物の場合、韓国が輸入する品目の52・5%の関税が10年以内に撤廃される。オリーブ油やレーズンなど32品目は即時開放される。ただしコメ・牛肉・トウガラシなど795品目は協定から除外された。
トルコは、人口7370万人で国内市場が大きく、韓国にとって24番目に大きい輸出相手国でもある。特に韓国企業が欧州とアフリカ、中東市場に進出するための地政学的な要衝地だ。
韓国は1957年にトルコと国交を樹立。韓国側の貿易収支黒字が続いている。昨年の両国間貿易額は58億8000万㌦で、貿易黒字は42億8000万㌦に達した。