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2012/08/10

<総合>不況下、創業ブーム続く

  • 不況下、創業ブーム続く

 不況の中でも創業ブームが続いている。中小企業庁や金融決済院などによると、今年に入って新設法人は上半期(1―6月)で3万8102社に達した。これは統計が始まった2000年以降、半期ベースで過去最多。前年同期(3万2424社)比17・5%増加だ。さらに7月には月間最多の7089社を記録、1~7月の合計で4万5191社に達した。今年は昨年の6万5111社を大きく上回る8万社に近づく見込みだ。

 中小企業庁の新設法人動向分析によると、就業難に悩む青年層の起業に加え、引退後に適当な仕事を探せなかったベビーブーム世代(1955~63年生まれ)が生計型創業に乗り出した結果が新設法人の増加につながった。法人登録しただけで、自営業者と変わらない新設法人も少なくないという。

 また、50代以上と30代未満が創業した新設法人の増加幅が最も大きく、50代が創業した新設法人は上半期実績で前年同期比17・9%、60歳以上14・6%、30歳未満27・8%それぞれ増加している。

 業種別では、製造業が前年同期比20・4%増の1503社、サービス業が18・0%増の3655社、建設業が8・6%増の318社だった。関係専門家は「その多くが、競争がし烈で低付加価値型の宿泊・飲食業や卸・小売業などに集中している」と指摘した。

 問題は、これら新設法人の大部分が零細であるという点だ。資本金5000万ウォン未満が全体の70・5%(2万6868社)を占め、5000万~1億ウォン未満も14・4%(5481社)を占めている。つまり、新設法人の5社中4社以上が資本金1億ウォン未満となる。

 このため、「最近の創業は、未来の成長エンジンになる知識ベンチャーよりも生計型の零細自営業中心である点が心配だ。資本金10億ウォンを超える新設法人は0・8%にすぎない」と懸念の声も聞かれる。

 これら小規模零細法人の多くは内需中心であり、内需が萎縮すれば、真っ先に打撃を受けざるを得ない。財政状態も良いとはいえず、景気鈍化→経営悪化となる危険性が高い。

 実際、5月末現在で小規模個人事業者の貸出金延滞率は昨年末の0・8%から1・17%にハネ上がっている。このため、不況が深刻化すれば負債を返済できず倒産する零細法人が増えると心配されている。

 ただ起業すれば良いわけではない。創業のあり方をめぐって政策的な検討も必要になっている。

 ちなみに、東京商工リサーチによると、日本で昨年に新設された法人は、前年比2・0%増の10万1633社だった。