韓国のR&D(研究開発)投資が近年急増している。国家科学技術委員会によると、昨年のR&D投資額は50兆ウォンに迫る49兆8904億ウォンに達した。総額で世界6位にランクアップした。また、GDP(国内総生産)比では4・03%となり、これはイスラエルに次ぐ世界2位だ。世界市場で韓国産業界の躍進が目立つが、活発なR&D投資がこれを下支えている。
今回のデータは、国家科学技術委員会が全国3万2673の公共・民間研究機関を対象に設問調査した「2001年度研究開発活動調査」で明らかになった。
韓国の昨年のR&D投資額は、前年に比べ13・8%増の49兆8904億ウォン(約450億㌦)。投資総額で①米国(4016億㌦)②日本(1788億㌦)③中国(1043億㌦)④ドイツ(926億㌦)⑤フランス(578億㌦)に次いで世界6位の水準。
また、GDP比ではイスラエルの4・40%に次ぐ世界2位。次いで、フィンランド、スウェーデン、日本の順だ。
国家科学技術委関係者は「量的に韓国のR&D投資は確実に増えている。他の先進国と比べても引けをとらない。だが、研究の質を評価するシステムが1980~90年代の水準にとどまっている」と指摘し、「評価を論文数、特許数ではなく、総合的に判断できる評価体系をつくらなければならない」と強調した。
韓国のR&D人員は昨年、37万5176人に達し、前年より8・5%増えた。このうち、研究開発業務に専念する常勤相当の研究員は28万8901人で、世界6位の規模だ。
投資部門別にみると、個別研究に30兆7607億ウォン(61・6%)、応用研究に10兆1165億ウォン(20・3%)、基礎研究に9兆132億ウォン(18・1%)の順だ。
財源別には、民間企業の比重が高まっている。昨年の民間財源は36兆7753億ウォンで全体の73・7%を占めた。これに比べ、政府・公共部門は13兆33億ウォンで26・1%と3分の1水準。外国の財源も1118億ウォン(0・2%)にのぼった。
民間財源の比重は、06年の75・4%をピークに達したが、世界金融危機で急激に下がった。だが、昨年には再び回復した。
一方、国家科学技術委員会が年初に集計した政府の今年度R&D予算は、前年比7・6%増の16兆244億ウォンに達する。08年以降5年間、李明博政権のR&D投資総額は68兆ウォンと集計された。
これは科学技術基本計画の投資目標の66兆5000億ウォンを1兆5000億ウォン上回る。5年間の年平均増加率は9・6%に達し、中国の22・3%に次ぐ世界2位の水準だ。
特に16兆ウォンに達する今年のR&D投資規模は、08年の約1・5倍で、増加率が高い保健・福祉・労働(7・2%)など他分野に比べ大幅に増えている。
政府は、今後のR&D投資の方向を定めるため国家政策調整会議を開き、世界初または世界最高に挑むR&D事業を進める事を決めた。
今回確定した「国家R&D事業挑戦性強化策」によると、失敗の危険性は高いが成功すれば学問的成果や産業分野での活用度が大きい研究開発を革新跳躍型R&D事業に指定して、特別研究課題として進める。これまでは成功率は高いが、革新的な成果に乏しいと指摘されてきた。政府は年内に、「国家研究開発事業の管理等に関する規定」に革新跳躍型R&D事業推進の根拠を設け、来年から本格的に推進する計画だ。金道然(キム・ドヨン)・国家科学技術委員長は「韓国の科学技術の中心軸が世界をリードする創造型研究へと移行することを期待する」と強調した。