金滉植・国務総理は、ラオスのビエンチャンで5―6日に開かれた第9回ASEM(アジア欧州会議)首脳会議で、開発途上国の温暖化対策を支援する国際機関「グリーン気候基金(GCF)」事務局の韓国誘致などを取り上げ、「韓国はグリーン成長に向けた先進国と途上国の橋渡し役として、積極的に寄与していきたい」と述べた。また、「韓国政府はODA(政府開発援助)規模を今後3年間で、昨年の2倍以上に拡大する計画だ」と明らかにした。
今回のASEM首脳会議のテーマは「平和の知人、繁栄のパートナー」。金総理は、ODAの量的拡大と質的改善、開発経験の共有など韓国がめざす開発協力の原則とビジョンを提示。「韓国が進めるグリーン成長政策は環境と経済活性化を両立させる成長戦略である」と紹介、支援を呼びかけた。
特に、李明博大統領が提唱して国際機関として発足した「グローバル・グリーン成長研究所(GGGI)」と、「環境分野の世界銀行」である「グリーン気候基金(GCF)を紹介。グリーン成長を開発途上国に広げる機関車の役割を担っていることを強く印象付けた。韓国が設立を主導したGGGIは、二酸化炭素の削減、グリーン成長の実現をめざす研究機関。2010年6月にソウルに本部を置く非営利財団として発足。国際機関の設立に関する協定の発効に伴い、先月に加盟18カ国代表が出席して創立総会を開き、国際機関としての活動を本格的に開始した。
金総理は「GGGIでは専門性を土台にグリーン成長支援事業を強化していく」と強調した。
また、仁川(インチョン)・松島(ソンド)新都市に事務局設置が決まったGCFは、途上国の温暖化対策を支援する新国際機関。来年から本格的に活動を開始する予定。国連気候変動枠組条約締約国の合意で設置した国際機関であり、基金1000億㌦以上が見込まれている。グリーン成長に大きな役割を果たすと期待されている。
金総理は「われわれに与えられた時間は多くない。地球、子孫に対する責任感と緊迫感を持って、グリーン経済の達成に力を合わせるべきだ」と訴えた。
韓国は援助される国から援助する国になって間もないが、ODAに対しても強い関心を持ち、支援強化に動いている。
今回の会議で金総理は「世界的な経済・金融危機により制約が少なくないが、こういう時こそODAを増やすべきだ。少なくとも既存の公約は守るべきだ」と述べた。
「韓国政府は、未来に対する投資であるODA規模を今後3年間で、昨年の2倍以上に拡大する計画だ」と明らかにした。韓国の昨年のODA規模は13億2100万㌦で、GNI(国民総所得)比1・12%に当たる。
また、金総理は「効果的で持続可能な開発のため教育に対する支援も拡大する」と述べた。
ASEM首脳会議は、議長声明を採択して閉幕したが、議長声明では韓国の提案も受け入れ、環境保全と経済成長を両立させるグリーン経済の重要性を確認した。
◆ASEMとは Asia-Europe Meeting(アジア欧州会議)の略称。アジアと欧州の関係強化を目的に1996年に発足。2年に1回開催し、第3回は韓国で開催した。現在は49カ国、2機関で構成。