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2012/11/16

<総合>130億㌦の水管理事業・タイから受注へ韓日中3つ巴戦

  • 130億㌦の水管理事業・タイから受注へ韓日中3つ巴戦

    タイのチャオプラヤー川を視察する李明博大統領

 総額130億ドルにのぼるタイの水管理プロジェクトを巡り、韓日中の3カ国の熾烈な受注戦が展開されている。マンモス級の大規模土木事業は国際入札にかけられており、事前資格審査に参加した34社のうち、韓日中とタイの4カ国・5企業がパス。6つに分けられたすべての事業分野に参加が可能となっている。李明博大統領は、韓国企業を支援すべく、9日のインラック首相との首脳会談で「4大河川改修事業を遂行した経験を持つ韓国企業がタイの水管理事業の最適パートナーだ」と強調した。タイ政府は、来年1月末に優先交渉相手3社を発表し、4月初めに落札者を決める予定だ。

 李大統領は、31年ぶりにタイを公式訪問し、インラック首相と会談。韓国の4大河川改修事業について「水資源管理のレベルを超えて、医療や健康、スポーツ・レジャー、地域経済、文化などを総合管理するものであり、このような事業モデルは世界初だ」と説明し、韓国企業の進出に協力を求めた。また、治水事業が計画されているチャオプラヤー川を視察した。

 タイは、昨年10月の洪水で全土の70%が浸水被害に遭い、河川整備事業を国家プロジェクトとして推進している。事業計画によると、チャオプラヤー川の8つの流域とその他主要河川など計25の全長6000㌔㍍の流域にわたって大規模な河川整備を行う。①統合的な水管理システム開発②ダム・放水路建設③洪水低減貯水池の造成④山林復元・保全など多岐にわたる。

 短期間に莫大な資金を投入して水資源インフラを建設し、先端統合水管理システムを構築すると同時に、環境と開発の調和、地域近郊発展などを共に考慮する点で韓国の4大河川改修事業に類似している。

 当初、受注は日本と中国との争いと見られていた。だがドイツ・オランダなど欧州諸国も強い関心を示し、タイ政府が国際競争入札に変えた。

 国際入札に伴い、9月に事前資格審査が行われ、韓国企業はK-ウォーター(水資源管理公社)と平和エンジニア・コンソーシアムの2社がパスした。

 K-ウォーターは、1994年に中国で行った流域調査事業をはじめ20カ国で37事業を成功させた実績がある。最近では4億3600万㌦の羽キス田水力発電事業を受注するなど15カ国で18事業を推進中だ。

 今回の水管理事業は巨大なために6分野にわけられ、1社が2分野以上で受注することも可能だが、1社ですべての事業を落札するのは困難と見られている。政府関係者は「4大河川改修事業を通じて積んだノウハウを生かせば、全体工事物量の30%は受注できるだろう」と期待した。

 タイ側は、韓国の4大河川改修事業に関心を示し、同国外相が昨年に漢江の現場を視察。両国の政府関係者らが数度にわたって協議を重ねてきた。今年3月に核安全保障サミット参加のため訪韓したインラック首相は、4大河川整備事業の現場を直接訪問した際、「4大河川事業の経験がある企業ならば良いだろう」と述べ、高い関心を示した。

 韓国とタイの経済関係は近年緊密化しており、両国間貿易も昨年の昨年139億㌦から16年までに300億㌦に拡大することに合意している。今回の首脳会談では、タイに韓国系銀行の設立も推進することにした。

 韓国とタイは、来年に国交正常化55周年を迎えることにあわせ、緊密な協力拡大のため「戦略的パートナー関係」を構築することになっており、今回の水管理事業への韓国企業の受注にも肯定的な影響を及ぼすとみられている。